脳卒中患者の歩行能力、二重課題干渉、転倒効力に対する二重課題歩行トレッドミル・トレーニングの効果

論文情報

この投稿は、~兵庫高齢者特化型の介護予防・転倒予防~訪問リハビリ整体リ・サンテ宝塚が高齢者のリハビリテーションに従事する医療従事者の方や、高齢者の転倒・介護予防に興味がある方に向けエビデンス情報を発信します。少しでも皆様のお役に立てればなと思っています。

今回は、「脳卒中患者の歩行能力、二重課題干渉、転倒効力に対する二重課題歩行トレッドミル・トレーニングの効果」についてと言うテーマでお送りしていきたいと思っています。

まず、2重課題干渉(DTI)とは『2つの課題を同時に行おうとすると,どちらの課題の成績も低下する』といった能力の事です。

こういった能力は、私たちが無意識の内に日常生活や歩きながら行っています。

安全に歩くために様々な環境下での問題や物事を考えながら歩く必要があるのでそれを解決する、認知処理と注意力が必要となってきます。

その中でも今回は脳卒中患者に対して2重課題下でのトレーニングを行うと、歩行能力、二重課題干渉、転倒効力にどういった効果があるのかを述べていきます。

脳卒中患者の歩行能力、二重課題干渉、転倒効力に対する二重課題歩行トレッドミル・トレーニングの効果

本日紹介する論文

研究の目的

本研究の目的は、限定型地域歩行器(<0.8m/s)に相当する脳卒中患者において、トレッドミルによる二重課題歩行訓練が、単発および二重課題条件下での歩行能力、二十課題干渉、転倒効力に及ぼす影響を明らかにすること。

対象

2020年2月20日から2020年2月27日まで、公立病院から合計34名の慢性脳卒中患者

対象基準
  • 韓国版Mini-Mental State Examinationのスコアが24以上
  • 歩行速度が0.8m/s未満で2重課題干渉の曝露が多い
  • 発症後6ヶ月以上の片麻痺
  • 補助器具を使用せずに10m以上自立歩行
除外基準
  • 脳卒中以外の神経疾患
  • 脳卒中による四肢麻痺
  • 指示の理解困難
  • 歩行時に痛みを感じる整形外科疾患
  • 重度の失語症

方法

  • 実験群と対照群に無作為に割り付け。
  • 実験群と対象群ともに週2回、30分間、6週間トレッドミルによるトレーニング30分と、仰臥位と座位での簡単な運動30分を割り当てた。
  • 簡単な運動は、上肢、股関節、膝関節の受動的ストレッチのみを行う。
  • トレッドミルのベルト速度
    • 1、2週目は初期評価で得られたデュアルタスク歩行速度の80%に設定し1週目にはトレッドミル側面の安全バー1本を楽な手で持つことを許可。2週目にはそれを離す。
    • 3、4週目は100%。
    • 5、6週目は110%に徐々に増加。
  • 認知課題の難易度は2つの段階に分けられた。1〜3週間と4〜6週間の2段階に分る。
  • 実験群:歩行訓練と認知課題と簡単な運動を同時に行い、
  • 対照群:歩行訓練と認知課題を別々に行い、臥位か座位で簡単な運動を行う。
※認知課題内容

アウトカム

アウトカム

●シングルタスクおよびデュアルタスク条件下での歩行能力(速度、歩幅、変動、ケイデンス)

●シングルタスクおよびデュアルタスク条件下での正答率(CRR)

 →CRR = (正解数/タスク完了までの時間) × 100

●歩行能力とCRRにおけるデュアルタスクコスト(DTC)

 →運動DTC=([シングルタスク歩行能力-デュアルタスク歩行能力]/シングルタスク歩行能力)×100

認知DTC=([シングルタスクCRR-デュアルタスクCRR]/シングルタスクCRR)×100。

※運動、認知において、数値が低いほどDTIが低下している(例:DTIが改善している)ことを示します。

●転倒効力感はFall Efficacy Scale(FES)で評価。

結果

  • トレッドミルを用いたデュアルタスク歩行トレーニングにより、デュアルタスク条件ではすべての歩行能力が改善
  • シングルタスク条件では速度、歩幅、変動が、そしてデュアルタスク条件ではCRRが改善。
  • デュアルタスク条件では、速度、歩幅、変動に群間差が認められた。
  • トレッドミル上でのデュアルタスク歩行トレーニングは、CRRの改善とともに、速度、変動、ケイデンスのDTCを改善し、真のDTCの改善を示した。
    • シングルタスクのトレーニングと比較して、速度と変動におけるDTCの有意な改善につながった。
  • シングルタスクの歩行トレッドミル訓練よりも、デュアルタスクの歩行トレッドミル訓練パフォーマンスと運動タスクと認知タスクのDTIを減少させる最も効果的な介入方法である。
  • 転倒効力感は介入前と介入後のグループ内、およびグループ間の有効性尺度得点に有意差はなかった。

まとめ

今回紹介した研究では、脳卒中患者の歩行能力、二重課題干渉、転倒効力に対する二重課題歩行トレッドミル・トレーニングの効果について述べました。

トレッドミルトレーニングは週2回、30分間、6週間を単独で行っても歩行能力は改善します。

高いDTIを持つ患者に対して、単独でトレッドミルトレーニングを行うより、デュアルタスクトレーニングを行うとCRRの改善、速度、変動、ケイデンスのDTCの改善、DTIの減少を図る効果が期待されます。

今回の報告ではあくまでトレッドミル上での結果ですが、平地歩行への応用も聞く可能性もあります。

ぜひ、治療・アプローチの引き出しの一部にして頂ければと思います。

兵庫県宝塚市の訪問リハビリ整体 リ・サンテとは

リハビリ整体リ・サンテは、兵庫県宝塚市にオープンした地域の高齢者を始め様々な方に密着し転倒予防介護予防を目的とした自宅訪問型のリハビリ整体です。

当整体院では兵庫県宝塚市の高齢者の方を始めとし、介護予防転倒予防体のケアを目的に筋力やバランス能力向上、動作指導を行う自費(保険外)の訪問リハビリ整体です。

訪問リハビリ整体の特徴は

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リハビリ整体リ・サンテには医療機関で高齢者の身体を回復させるためのリハビリに従事し、高齢者のフレイル対策介護予防転倒予防の研修を受けた理学療法士(国家資格)の資格を持ったスタッフが在籍しています。

ここで培った知識を生かし、高齢者の介護・転倒予防、運動不足解消を目的自宅を訪問させて頂き、高齢者一人一人の身体の状態を把握し完全個別式のリハビリ&整体サービスを提供しています。

当整体院では単なる『マッサージ』や『筋力トレーニング』だけで終わらず、最新の予防医学をもとに個人個人のお身体に合わせたプログラムを作成し60分間完全マンツーマンで施術させて頂きます。

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