脳卒中リハビリテーションにおけるミラーセラピーの現在の展望について

論文情報

この投稿は、~兵庫自費訪問リハビリ整体リ・サンテ宝塚~』が脳卒中や骨折、人工骨頭の手術後、腰痛のリハビリテーションに従事する医療従事者の方や、高齢者の転倒・介護予防に興味がある方に向けエビデンス情報を発信します。少しでも皆様のお役に立てればと思っています。

脳卒中後の急性期には、生存者の約60~80%が上肢または下肢の運動障害を呈すると言われています。

その中で、 軽度麻痺を呈する脳卒中患者の80%が完全な上肢機能を獲得するのに対し、重度麻痺を呈する脳卒中患者では80%が完全な上肢機能を獲得できないと言った報告があります。

脳卒中後の上肢・下肢に重度の麻痺が残ってしまうと、自分の思うように手足を動かすことができなくなり、自発的動きを伴うリハビリが行いにくいことも多々あります。

そういった重度の麻痺を患った方にも適応され、上肢・下肢の運動機能改善を目標にミラーセラピーと言うリハビリ方法があります。

ミラーセラピー(MT)とは、動いている非麻痺側での視覚入力によって、麻痺側に動きがあるように錯覚させるリハビリテーションアプローチの方法です。

また、MTは脳卒中後の運動障害だけでなく、脳卒中後の感覚、視空間無視、痛みにも効果があることが研究され報告されています。

そこで今回は、「脳卒中リハビリテーションにおけるミラーセラピーの現在の展望」について報告されている論文をご紹介させていただきたいと思います。

脳卒中リハビリテーションにおけるミラーセラピーの現在の展望について

本日紹介する論文

参考文献

Vestibular rehabilitation therapy on balance and gait in patients after stroke: a systematic review and meta-analysis.2023

研究の目的

ミラーセラピーに関する現在の見解を体系的にレビューし、『脳卒中リハビリテーションへの応用』
『脳卒中リハビリテーションにおける頻度、実現可能性、受容性』を提示すること

方法

選択する論文の基準

レビューの基準
  • 脳卒中後の運動、感覚、知覚障害に対する鏡療法に関する研究
  • 脳卒中後の急性期、亜急性期、慢性期におけるリハビリテーション
  • 無作為化比較試験のみ
  • 2010年1月から2019年6月までに発表された論文
除外基準
  • 英語以外の言語で書かれた研究
  • ミラーセラピーと他の療法との相乗効果を研究した研究
  • ミラーニューロンシステムを標的とした他の治療法に関する研究

検索方法

  • PRISMAガイドラインを用いてレビューを行う
  • PubMed、Web of Scienceで(mirror AND (therapy OR rehabilitation) AND (stroke OR poststroke OR post-stroke)で検索

審査プロセス

  1. 2名の独立したレビュアーが、タイトルと抄録に基づいて研究をスクリーニングし、すべての全論文について、組み入れ基準を満たすかどうかを確認。査読者間で意見の相違があった場合は、3人目の査読者が決定。
  2. 研究の選択後、タイトル、組み入れ基準および除外基準、介入の種類、サンプルサイズ、研究方法、主要アウトカムおよび副次的アウトカム、研究の限界、実行可能性、アドヒアランスに関する情報のためにデータを抽出。
  3. バイアスリスク評価と方法論的質
    • COCHRANE risk of bias toolを用いてバイアスリスク評価を行った。各試験の方法論的質はPEDroスケールを用いて行った。

結果

  • ほとんどの研究が脳卒中後の上肢運動障害に介入していることがわかった。
  • 研究は、脳卒中後の慢性期と急性期の介入に等しく分布し、治療期間は1~8週間と幅があるも、50%の研究では介入期間は4週間で、頻度は週3~5日であった。
  • 上肢に関する研究では、週5日、1日あたり20~60分の介入で肯定的な効果が報告されている。
  • 下肢については、週5~6日、1日当たり15分~1時間の介入で肯定的な効果が報告されている。
  • MTは、感覚障害や視空間無視の改善の程度は限定的であるが、運動と感覚の確実な改善を示した
  • 麻痺肢の疲労感、疼痛、腫脹が短時間にみられたことを除けば、MTの忍容性は概して良好であり、重篤な副作用は報告されていない。
  • MTは重度の麻痺を生じていても実行可能である。
  • アドヒアランス(積極的に治療に専念すること)は、大半の試験が直接指導による介入を採用していることから高いと推測される。
  • MTは、脳卒中の急性期、亜急性期、慢性期における脳卒中後遺症者のリハビリテーションに効果的で実行可能なアプローチであることが証明されたが、その長期的効果や日常生活動作への影響については広範な分析が必要である。

まとめ

今回の報告ではMTは重度の脳卒中患者のリハビリにも利用可能であり、急性期~慢性期の方に対してもある程度の効果があるとされています。

また頻度に関しては約4週間、『上肢では週5日20~60分』、『下肢では週5~6日15分~60分』の介入が好ましいのかもしれません。

またMTを実施する際はアドヒアランスを高めることも必要であり、課題志向型のリハビリ方法と組み合わせても効果が期待できるかもしれません。

‟おまけ”神経生理学的基盤の仮設

MTの神経生理学的基盤については、さまざまな仮説が提唱されています。

  1. 前頭側頭領域および上側頭回(STG)にミラーニューロン系(MNS)が存在することを示唆しており、このミラーニューロン系は、目標に向けた手の動作や、他者による同様の動作の観察によって放電する。
  2. STG、楔前野、後帯状皮質(PCC)の活性化による、自己認識や空間的注意の増加といった潜在的なメカニズムを示唆している。
  3. MTは、一次および二次視覚野と体性感覚野の活動を亢進させ、その結果、注意力、感覚フィードバックに対する意識的認識、および学習された患肢の不使用の回避が強化される。-また、一次運動皮質(M1)の興奮性を調節することで、脳卒中後の大脳半球内のバランスの正常化を促進するMTの役割についても仮説が立てられている。 MTの間、患肢の動きと、鏡に映った非患肢の動きの受動的観察の両方が、M1の興奮性に影響を及ぼす。

と言われています。

兵庫県宝塚市の自費訪問リハビリ整体 リ・サンテとは

自費訪問リハビリ整体リ・サンテは、兵庫県宝塚市にオープンした脳卒中の方や人工関節の手術をされた方、足腰にお悩みを抱えている方を始め様々な方に密着し自費(保険外)での自宅訪問型のリハビリ整体です。

自費訪問リハビリ整体の特徴は

自宅を訪問させて頂き病院で行われるリハビリと整体院で行われる施術の要素を併せ持つ生活に密着した業界初の生活圏全般をサポートする”自費リハビリ施設となっています。

リハビリ整体リ・サンテには医療機関で脳卒中後のリハビリや、人工関節の術後、骨折後などの身体を回復させるためのリハビリに従事し、高齢者のフレイル対策や介護予防、転倒予防の研修を受けた理学療法士(国家資格)の資格を持ったスタッフが在籍しています。

ここで培った知識を生かし、自宅を訪問させて頂き、皆さんのお悩み事をを解決するために一人一人の身体の状態を把握し完全個別式のリハビリ&整体サービスを提供しています。

当整時比リハビリ体院では単なる『マッサージ』や『筋力トレーニング』だけで終わらず、最新の予防医学をもとに個人個人のお身体に合わせたプログラムを作成し60分間完全マンツーマンで施術させて頂きます。

※お身体の関節筋肉の状態、バランス能力数値化し、そのデータは後日グラフを作成しお渡しさせて頂きお身体についてお伝えさせて頂きます。

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