脳卒中後のバランス機能に対するキネシオテーピング:システマティックレビューとメタアナリシス

論文情報

この投稿は、~兵庫自費訪問リハビリ整体リ・サンテ宝塚~』が脳卒中や骨折、人工骨頭の手術後のリハビリテーションに従事する医療従事者の方や、高齢者の転倒・介護予防に興味がある方に向けエビデンス情報を発信します。少しでも皆様のお役に立てればなと思っています。

脳卒中患者の方によく見られるバランス障害は日常生活機能問題の一つであり、患者の日常生活内での転倒仕事に深刻な影響を与えます。

脳卒中後遺症を患っている522人の成人を対象とした研究では、脳卒中後2年までに23.5%(124/522人)が少なくとも1回転倒し、14.2%(74/522人)が2回以上、5.4%(28/522人)が骨折していたとの報告もあります。

このバランス障害に対し、キネシオテーピング(KT)が補助的なリハビリの手段と使用されています。

KTは弱った筋肉を支え、伸びすぎた筋肉を緩め、痛みを軽減することで、上肢と下肢の機能的使用を促進し、さらにバランス能力を向上させることができると言われています。

またKTは、非対称でアンバランスな姿勢をとる脳卒中患者にとって良い選択肢でもあると言われています。

しかし、脳卒中後のバランス障害の治療において、その結論は一貫していません

そこで

今回は、「脳卒中後のバランス機能に対するキネシオテーピング:システマティックレビューとメタアナリシス」についてと言うテーマでお送りしていきたいと思っています。

脳卒中後のバランス機能に対するキネシオテーピング:システマティックレビューとメタアナリシス

本日紹介する論文

研究の目的

本研究の目的は脳卒中後のバランス障害に対するキネシオテーピング(KT)の有効性と安全性を調べること

対象と方法

脳卒中後のバランス障害に対するKTの効果について、ランダム化比較試験(RCT)のシステマティックレビュー(SR)およびメタアナリシスを実施

データ収集

データ収集
  • 創刊から2018年12月までの期間
  • 英語データベース:EMBASE(Ovid経由)、MEDLINE(Ovid経由)、Cochrane library、PubMed、およびPEDro;
  • 中国のデータベース:中国生物医学(CBM)、萬芳データベース、中国国家知識基盤(CNKI)、VIP
  • キーワード:(キネシオ、キネシオテープ、テープ、オーソティックテープ)と(脳卒中、片麻痺、片麻痺麻痺)、(バランス、安定)
  • 欠落データについては、著者と連絡を取り、追加情報を入手
  • フィルターツールを使って重複する研究を削除
基準
  1. 脳卒中のバランス障害患者に対するKTのRCT
  2. 脳卒中診断基準に従って診断され、病歴と症状が明確で、脳のCT(Computed Tomography)またはMRI(Magnetic Resonance Imaging)で確認された脳卒中後のバランス障害患者で、年齢と性別は限定しない
  3. 実験グループは、従来のリハビリテーション(CR)とともに、またはそれなしでKTで治療を受けた。対照群は、CR、偽KT、プラセボのいずれでもよい
  4. 主要アウトカム:Berg Balance Scale(BBS)
  5. 副次的アウトカム:下肢機能、痙性、歩行機能に対する関連アウトカム
除外基準
  1. 文献レビュー、症例報告、専門家の治療経験の要約など、RCT以外の試験
  2. バランス障害が脳卒中によるものではなく、例えばパーキンソン病、小児脳性麻痺、膝の手術、その他の疾患によるもの
  3. 重複またはデータが抽出できないもの

研究内容

  • 22件のRCTには1331人の患者が参加
  • 667人の患者が実験群、664人の患者が対照群
  • 含まれるRCTは2014年から2019年にかけて発表され、そのうち18のRCTは中国で、3つのRCTは韓国、1つのRCTはイランで実施
  • 疾患期間は、数日から数年まで様々
  • 20のRCTの対照群はCRを使用し、2つのRCTは偽KTを使用した
  • KTの部位は、下肢(大腿四頭筋、上腕三頭筋、前脛骨筋、足首など)
  • KTの治療期間は、即効性から3ヶ月まで様々

結果

  • KT使用下でのリハビリと従来のリハビリテーション(CR)と比較して、Berg Balance Scale (BBS) 有意さを認めるが、KTと偽KTの間に有意な差は認められなかった

  • 10mMWTを除き、TUGT、FMA-L、FAC、MAS、その他のアウトカム(10MVS,MMT,AROM,Brunnstrom)において、KTとCRの間に有意差

  • サブグループ解析の結果、治療期間が4週間以下のKTとCRの間に有意差はなかった、4週間以上では有意差があった

まとめ

バランス障害は脳卒中患者によく見られる日常機能問題の一つであり、転倒リスクの増加、歩行機能の低下、QOLの低下と関連することが多くなっています。

今回ご紹介した論文ではKTを使用することで、脳卒中後の患者のバランス能力、下肢機能、歩行機能に対して、KTがCRよりも有効であることを示されました。

また、4週間以上と治療期間が長いほど、より良い効果につながる可能性があります。

今回ご紹介したエビデンス情報が、リハビリ内容の一助となれば幸いです。

兵庫県宝塚市の訪問リハビリ整体 リ・サンテとは

訪問リハビリ整体リ・サンテは、兵庫県宝塚市にオープンした脳卒中の方や人工関節の手術をされた方、足腰にお悩みを抱えている方を始め様々な方に密着し自宅訪問型のリハビリ整体です。

訪問リハビリ整体の特徴は

自宅を訪問させて頂き病院で行われるリハビリと整体院で行われる施術の要素を併せ持つ生活に密着した業界初の生活圏全般をサポートする”整体院となっています。

リハビリ整体リ・サンテには医療機関で脳卒中後のリハビリや、人工関節の術後、骨折後などの身体を回復させるためのリハビリに従事し、高齢者のフレイル対策介護予防転倒予防の研修を受けた理学療法士(国家資格)の資格を持ったスタッフが在籍しています。

ここで培った知識を生かし、自宅を訪問させて頂き、皆さんのお悩み事をを解決するために一人一人の身体の状態を把握し完全個別式のリハビリ&整体サービスを提供しています。

当整体院では単なる『マッサージ』や『筋力トレーニング』だけで終わらず、最新の予防医学をもとに個人個人のお身体に合わせたプログラムを作成し60分間完全マンツーマンで施術させて頂きます。

※お身体の関節筋肉の状態、バランス能力数値化し、そのデータは後日グラフを作成しお渡しさせて頂きお身体についてお伝えさせて頂きます。

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