歩行の非対称性は年齢と関係があるのか?

論文情報

この投稿は、兵庫県宝塚市に誕生した訪問リハビリ整体リ・サンテが高齢者や脳卒中後遺症の方リハビリテーションに従事する医療従事者の方や、高齢者の転倒・介護予防に興味がある方に向けエビデンス情報を発信します。少しでも皆様のお役に立てればなと思っています。

歩行機能の向上は、リハビリテーションを受ける患者の共通の目標であり、自立、生活の質、社会参加の主要な決定要因となります。

その中で非対称性に対しアプローチを行うことはありませんか?

例えば脳卒中後、歩行の非対称性が続くと、以下のような悪影響があると言われています。

『動的バランス制御の低下』、『歩行の非効率性』、『非麻痺性下肢への筋骨格系の累積損傷』、『麻痺側下肢の大腿骨頚部の骨量密度の低下』、『活動レベルの低下』

今回は、この歩行非対称性に対して「歩行の非対称性は年齢と関係があるのか?」についてと言うテーマでお送りしていきたいと思っています。

少しでも今後のアプローチや考え方の一助になれればと思います。

歩行の非対称性は年齢と関係があるのか?

本日紹介する論文

参考文献

CHEDOKE-McMASTER STROKE ASSESSMENTDevelopment, Validation and Administration Manual
October 2008

研究の目的

本研究の目的は、歩行の対称性が年齢と関連しているかどうかを調べること。

対象

脳卒中患者172名と健常者81名を対象

2つのグループ間で有意な差はなし。

脳卒中患者
  • 平均年齢は63.2歳
  • 脳卒中後の時間は23.5カ月経過
  • 参加者の61人は女性
  • グループの82人は右側片麻痺
  • 参加者は、歩行補助具を常用していたが、慣れた補助具なしでも歩行試験を終えることができた
  • 脳卒中後のグループの平均NIHSSスコアは2.6、CMSAスコアはそれぞれ5.0および4.8
対象群
  • 81名の健康な参加者
  • 平均年齢は64.2歳
  • 43名が女性

方法

臨床評価

  • National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)
  • Chedoke McMaster Stroke Assessment(CMSA)の脚と足

歩行時空間測定 歩行時空間パラメータ

  • 感圧マット(GaitRite™、CIR Systems、Clifton、NJ)を用いて測定。
  • 水平な10mの歩道(真ん中に感圧マットを含む)を、自分の好きな速度で3回歩く。
  • 脳卒中の参加者は、普段使用している歩行補助具を使用せずに歩行試験を行うよう求められたが、必要に応じて装具を装着することが許可。

記述統計

年齢、速度、ステップ長対称比、スイング時間対称比、スタンス時間対称比について、群平均と標準偏差(SD)を算出。

すべての変数の群平均は、対にならないt検定を用いて脳卒中群と健常者群で比較。

対称比の算出 時空間パラメータの算出

GaitRite™システムを用いて行われた。すべての値は各個人の3つの試行で平均され、平均データは対称比の算出に使用。

脳卒中群と健常者群について、速度、歩幅の対称性、スイングタイムの対称性、スタンスタイムの対称性の平均値と標準偏差(SD)を算出。

時間的対称性
  • スイングタイム対称=スイングタイムが大きい/スイングタイムが小さい
  •   スタンスタイム対称=スタンスタイムが大きい/スタンスタイムが小さい
空間的対称性
  • ステップ長の対称性=ステップ長が大きい/ステップ長が小さい

比の値が1.0であれば、完全な左右対称であることを示す。

年齢と速度および対称性の関係

脳卒中群と健常群における年齢と速度および3つの対称性比の関係は、ピアソン相関を使用。フィッシャー変換を用いてr値をz値に変換し、各r値について95%信頼区間(CI)を算出。

結果

脳卒中群と健常群の速度、歩幅、スイングタイム、スタンスタイム比の平均値

  • 両群は、速度、歩幅の対称性、スイングタイムの対称性、立脚時間の対称性において有意な差がある。
  • 脳卒中群は健常群よりもゆっくり歩き、非対称性も大きい。
  • 脳卒中群が平均して非対称な歩行を示す。
脳卒中群と健常群の歩行速度と3つの対称比の平均値(SD)を示す。脳卒中グループの変数が健常者グループの変数と有意に異なる場合は、アスタリスク(*)で示される(p<0.01)。

年齢と速度、対称性の関係

  • 健常者における速度と年齢に関する本研究の結果は、速度と年齢の間に負の関係がある。
  • 歩行対称比は年齢と有意に関連しない
年齢と歩行速度の関係
健常者(n=81、灰色の四角)(r=0.57、p<0.01)と脳卒中患者(n=172、黒いダイヤモンド)(r=0.14、p=0.07)における年齢と歩行速度の関係を示した被験者間の比較。
年齢と歩行の対称性の関係
健常者グループ(n=81、灰色の四角)と脳卒中グループ(n=172、黒い菱形)において、年齢とステップ長対称性、スイング時間対称性、立脚時間対称性の独立性を示す被験者間の比較。
脳卒中群と健常群について、年齢と歩行速度のピアソンr値、3つの対称比が示されている。また、r値の95%信頼区間(CI)も報告されている。

まとめ

今回紹介した研究では、脳卒中後の歩行速度は、多くの異なる要因(姿勢制御、運動障害、感覚障害など)によって決定されると考えられるが、年齢による影響は限定的であると予測できます。

また、脳卒中群、健常群ともに、歩行対称比は年齢と有意な関係を持たないことであり、歩行パターンの対称性は年齢に関係なく維持されていることが示され、対称性と年齢には関連性ありません

歩行の対称性は、速度のように年齢の影響を受けないため、歩行制御に対する疾患の影響について判断する材料になる可能性があります。

また介護保険内でリハビリを増やすことが難し方や、認知症予防を行いたいと言った方は是非ご連絡をお待ちしています。

兵庫県宝塚市の訪問リハビリ整体 リ・サンテとは

リハビリ整体リ・サンテは、兵庫県宝塚市にオープンした地域の高齢者を始め様々な方に密着し転倒予防介護予防を目的とした自宅訪問型のリハビリ整体です。

当整体院では兵庫県宝塚市の高齢者の方を始めとし、介護予防転倒予防体のケアを目的に筋力やバランス能力向上、動作指導を行う自費(保険外)の訪問リハビリ整体です。

訪問リハビリ整体の特徴は

自宅を訪問させて頂き病院で行われるリハビリと整体院で行われる施術の要素を併せ持つ生活に密着した業界初の生活圏全般をサポートする”整体院となっています。

リハビリ整体リ・サンテには医療機関で高齢者の身体を回復させるためのリハビリに従事し、高齢者のフレイル対策介護予防転倒予防の研修を受けた理学療法士(国家資格)の資格を持ったスタッフが在籍しています。

ここで培った知識を生かし、高齢者の介護・転倒予防、運動不足解消を目的自宅を訪問させて頂き、高齢者一人一人の身体の状態を把握し完全個別式のリハビリ&整体サービスを提供しています。

当整体院では単なる『マッサージ』や『筋力トレーニング』だけで終わらず、最新の予防医学をもとに個人個人のお身体に合わせたプログラムを作成し60分間完全マンツーマンで施術させて頂きます。

※お身体の関節筋肉の状態、バランス能力数値化し、そのデータは後日グラフを作成しお渡しさせて頂きお身体についてお伝えさせて頂きます。

リハビリ整体リ・サンテで施術ご希望の方はこちら!

リハビリ整体リ・サンテにて施術のご相談やご質問がある方は、お気軽にご連絡ください!

ホームページはこちらになります

兵庫リハビリ整体リ・サンテ宝塚HP

当整体院では様々な方に体験して頂くために‟初回無料体験”を実施しています。

ぜひご興味が御座いましたら、いつでもご相談ください!

《お問い合わせはこちら》

コメント