年を取ると呼吸器はどう変化するのか?

呼吸

この投稿は、~兵庫高齢者の介護予防・転倒予防特化型~ 訪問リハビリ整体院リ・サンテ宝塚がいつまでも自分の足で歩き、元気に生活をしたい!と本気で思っている皆様にお身体について知らないことや気付いていないこと、運動方法や生活でのアドバイスとなるような情報を発信します。

今回は、「年を取ると呼吸器機能はどう変化するのか?」と言うテーマでお伝えします。

高齢となる中で呼吸器である肺はどんな影響を受けるのか気になりませんか?

そこで今回は、『高齢による呼吸機能の変化』について研究報告や医学書籍をもとに高齢者の方でも分かりやすく簡単にご紹介させて頂きます!

加齢の影響により呼吸器は変化するのか

まず呼吸器とはなに?と思った方は1度こちらの記事をご参照ください。

高齢になると呼吸機能はどう変化するのか?

高齢者では、加齢に伴い呼吸機能が低下することで、日常生活活動を低下させる要因の一つとなります。

呼吸機能の低下は『活動性の低下』、『廃用症候群』、『肺炎等への罹患』へ移行するとされており、高齢者では肺炎が死因の第3位となり、90歳以上の高齢者では1位となります。

肺の機能的変化

高齢になると肺の中に入る空気の量に対し、『肺気量分画の変化』、『肺の弾性力の低下』、『胸郭の肺の膨らみやすさ(コンプライアンス)の低下』、『呼吸筋力の低下』が生じます。

また、『肺拡散能(酸素と二酸化炭素の交換を行う能力)の低下』や『換気応答不全』が生じます。

高齢者の肺気量分画の変化

高齢者の全肺気量(肺の中の空気の量)の変化は極わずかであるとされていますが、残気量は加齢とともに増加するとされています。

全肺気量は変化せず、残気量が増加するため、予備呼気量、予備吸気量が低下し結果、肺活量は減少します。(下の図をご覧ください。)

肺活量は男性で年間21~33ml、女性で18~29ml減少するとされており、女性より男性に多く見られます。

齊藤 正和他:加齢に伴う呼吸・循環・腎臓機能の変化.理学療法学48 巻 5 号 p. 542-547.2021年引用

また、機能的残気量は女性では加齢による増加は認めないが、男性では、わずかに増加すると言われています。

また息を強く吐いた際、1秒間に吐ける空気の量やの低下も認めます。

高齢者の肺弾性能力の低下

肺組織の弾性能力(例 伸びたゴムが縮む力)の低下により、息を吐く力が低下し肺の中に空気が溜まります。

これにより息を吸うことも難しくなり呼吸が荒くなったりします。

高齢者の胸郭コンプライアンスの低下

胸郭コンプライアンスとは胸郭の膨らみやすさの事です。

加齢により、脊椎や肋骨が固くなり胸郭の可動域低下や横隔膜などの呼吸筋の筋力が低下することで胸郭が広がることができず、肺活量の低下を招きます。

さらに、胸郭の動きが固くなると、肋骨の間にある肋間筋の筋力が低下していく可能性もあります。

よって安静時でも、努力的な呼吸となります。

高齢者の呼吸筋力の低下

高齢者は最大に息を吸うときや吐くときの筋力が低下するとされています

この加齢による筋力低下は残気量が増加することにより、横隔膜の位置が下に下がり十分に働かなくなることが要因と考えられています。

ある研究では

・20代~70代までの120人の健康な人を対象とした研究では、55歳以下では年齢と関連した以上は認めないが、女性では最大呼気・吸気筋力が共に統計学的に低下した。

・若年グループ(16~30歳)と高齢者グループ(61~75歳)に分け検討したところ、最大呼気筋力は32~36%、最大吸気筋力は12~23%減少が認められた

とされています。

また、最近ではサルコペニアを患っている高齢者では呼吸筋力の低下を認めることから、呼吸筋サルコペニアとも言われているみたいです。

高齢者の肺拡散能低下

高齢者では、肺胞を取り巻いている毛細血管の血流量が低下することで酸素と二酸化炭素のガスを交換する能力が低下します。

これにより体内に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するために呼吸数が増加します。

肺拡散能1年で約0.5%肺胞毛細血管血液量1年で0.3%低下するとされています。

また体内の酸素が少なくなることにより、日常生活や運動時に疲れやすくなります。

高齢者の換気応答の低下

健康な若年者では安静時には少なく、運動時には多めの換気を行い、血液中の酸素や二酸化炭素の割合を呼吸の調整をうまく行い一定に保っています。

高齢者では血液中の酸素と二酸化炭素の割合の変化を感知する中枢化学受容器末梢化学受容器肺の伸展受容器の機能が低下するため、換気の対応が遅延し1回換気量や呼吸数の調整が低下します。

しかし

運動中では体内で産生された二酸化炭素を体外に出そうとする換気応答が亢進するため、低負荷での運動でも1回換気量や呼吸数が上昇しやすくなり、呼吸筋の運動が増えます。

この運動の亢進は過度な換気応答を引き起こし呼吸困難に陥ったりします。

高齢者の運動耐容能(運動能力)

高齢者の運動能力の低下は日常生活習慣の影響も受けます。

座って生活をことが多い生活では筋肉量が低下し、体の脂肪量が増加します。これにより速筋繊維の低下や筋肉内の毛細血管量の減少が起こり、最大酸素摂取量は減少します。

高齢者の咳嗽反射の低下

咳嗽反射(がいそう反射)とは「気道の中に溜まった分泌物や吸い込まれた異物を気道の外に排除するための生体防御反応」です。

いわゆる咳の事です。

咳は正常、咳をする前に肺の容量の60~90%の息を大きく吸い、その後呼吸筋、腹筋群が働くことで肺から空気を勢いよく出します。

しかし

高齢者では、胸郭のコンプライアンス低下や呼吸筋などの筋力低下、最大吸気量の低下、最大呼気量の低下により異物を排出することができなくなくなります。

まとめ

このように呼吸器は加齢による様々な変化をきたします。

しかし持久力トレーニングや低強度の運動を行うことで最大酸素摂取量や筋量、筋毛細血管量、筋力、筋酸素能の増加も見られます。

また運動することで、胸郭の可動性や、呼吸筋の筋力維持や増加も行えます。

加齢による変化は生じても仕方がない部分もありますが、運動を通してその変化を遅らせることや維持、向上も図れるため、あきらめずに運動を習慣づけて頂きたいと思います。

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参考文献

・岡庭 豊:病気が見えるvol.4 呼吸器 第1班 医療情報学研究所.8.26.2010

齊藤 正和他:加齢に伴う呼吸・循環・腎臓機能の変化.理学療法学48 巻 5 号 p. 542-547.2021年

伊藤 広貴他:呼気および吸気時CT画像に基づく胸郭運動モデルの構築.Med Imag Tech Vol.29 No.4 September 2011

福田 健:肺の加齢による変化.Dokkyo Journal of Medical Sciences 35(3):219 〜 226.2008

巻 直樹他:高齢者における呼吸機能の特徴と呼吸リハビリテーションの現状.高齢者ケアリング学研究会誌.Vol.5 No.1 2014

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