脳卒中患者の片麻痺(上肢痙縮)に対する局所筋振動の有効性について

論文情報

この投稿は、~兵庫自費訪問リハビリ整体リ・サンテ宝塚~』が脳卒中や骨折、人工骨頭の手術後、腰痛のリハビリテーションに従事する医療従事者の方や、高齢者の転倒・介護予防に興味がある方に向けエビデンス情報を発信します。少しでも皆様のお役に立てればと思っています。

脳卒中後の急性期には、生存者の約60~80%が上肢または下肢の運動障害を呈すると言われています。

上肢の麻痺では、軽度から中等度の急性期における機能回復の予後は良好であるが、脳卒中後6ヶ月の時点で少なくともいくつかの技能を有しているのは71%に過ぎないとの報告もあり、重症の脳卒中患者の予後は悪く、約60%が脳卒中後6ヵ月時点で日常生活動作の一部を達成できていないと言われています。

上肢機能を妨げている原因として痙縮が挙げられます。

痙縮の定義(Lance, 1980)

痙縮は、緊張性伸張反射の増加を特徴とする速度依存性運動障害と定義されています。

近年脳卒中患者の痙縮に対して行われるリハビリの中で、局所筋振動(FMV)が取り上げられています。

このFMVを調査した研究が大幅に増加していますが、卒中後の上肢に対する局所筋振動の効果について明確な確証を与えるシステマティックレビューはこの研究が初めてとなります。

そこで今回は、「脳卒中患者の片麻痺(上肢痙縮)に対する局所筋振動の有効性」について報告されている論文をご紹介させていただきたいと思います。

脳卒中患者の片麻痺(上肢痙縮)に対する局所筋振動の有効性について

本日紹介する論文

参考文献

Effectiveness of focal muscle vibration on hemiplegic upper extremity spasticity in individuals with stroke: A systematic review.2019

研究の目的

『脳卒中脳卒中患者の上肢痙縮に対するFMVの効果』

『可能であれば効果的な治療プロトコルを特定』

すること

方法

複数のデータベース(SCOPUS、PEDro、PUBMED、REHABDATA、Web of Science)から、英語で発表されたランダム化臨床試験(RCT)および疑似RCTの論文を系統的に検索

keyword

 (focal muscle vibration OR local muscle vibration OR segmental muscle vibration OR localized muscle vibration OR vibration OR muscle vibration) AND (stroke OR cerebrovascular accident OR cerebral hemorrhage OR cerebral ischemia) AND (upper limb OR upper extremity OR arm) AND (Spasticity OR hypertonia OR tone OR spastic). 

※全身振動などは除外

コクラン共同計画のバイアスリスク評価ツール(Higgins et al., 2011)を用いて、二人のレビュワーが独立に、選択した研究の方法論的質を評価

意見の相違は第3著者との話し合いにより解決

アウトカムはMAS(Modified Ashworth scale)

MASには0~4の6項目

0は筋緊張の増加なし。

1は、可動域終末で筋緊張がわずかに増加していることを示す。

1+は、可動域の半分以下で筋緊張がわずかに増加していることを示す。

2は、可動域の大部分を通して筋緊張が増加していることを示す。

3は、四肢の受動運動が困難であることを示す。

4は、四肢の屈曲または伸展が硬いことを示す

結果

2012年から2019年までに発表された合計8件の研究が包括基準に認められ、方法論的質は中等度~高度の範囲

対象者の特徴
  •  脳卒中後遺症268例(出血性36例、虚血性232例)
  • 片麻痺側(左144例、右118例)
  • 全研究の約28.73%が女性
  • 全患者の平均年齢は60歳
  • 6つの研究は慢性脳卒中患者(12ヵ月以上)、1つは急性脳卒中患者を含み、1つは脳卒中の病期について十分な情報を提供しなかった

上肢のMASスコアの減少(痙縮の減少)を示した

治療プロトコールや実施頻度、期間の特定はできなかった

まとめ

今回の報告ではFMVが脳卒中の上肢痙縮の軽減に対して効果的である可能性が報告されています。

8件の研究のうち慢性期での研究5件が以下の実施頻度で痙縮の軽減を認めています。

  • (FMV30分+従来の理学療法60分×5/週×2週)
  • (30分FMV×3/週×6週)
  • (5分間のFMV+30分間の従来の理学療法×3/週×8週)

※残りの研究では痙縮の軽減は認められたが2件が急性期、1件がFMV1回のみとなっています。

よって、従来の理学療法とFMVを組み合わせ、頻度、実施期間を延ばすことで効果が出現する可能性があります。

兵庫県宝塚市の自費訪問リハビリ整体 リ・サンテとは

自費訪問リハビリ整体リ・サンテは、兵庫県宝塚市にオープンした脳卒中の方や人工関節の手術をされた方、足腰にお悩みを抱えている方を始め様々な方に密着し自費(保険外)での自宅訪問型のリハビリ整体です。

自費訪問リハビリ整体の特徴は

自宅を訪問させて頂き病院で行われるリハビリと整体院で行われる施術の要素を併せ持つ生活に密着した業界初の生活圏全般をサポートする”自費リハビリ施設となっています。

リハビリ整体リ・サンテには医療機関で脳卒中後のリハビリや、人工関節の術後、骨折後などの身体を回復させるためのリハビリに従事し、高齢者のフレイル対策や介護予防、転倒予防の研修を受けた理学療法士(国家資格)の資格を持ったスタッフが在籍しています。

ここで培った知識を生かし、自宅を訪問させて頂き、皆さんのお悩み事をを解決するために一人一人の身体の状態を把握し完全個別式のリハビリ&整体サービスを提供しています。

当整時比リハビリ体院では単なる『マッサージ』や『筋力トレーニング』だけで終わらず、最新の予防医学をもとに個人個人のお身体に合わせたプログラムを作成し30分~60分間完全マンツーマンで施術させて頂きます。

※お身体の関節筋肉の状態、バランス能力数値化し、そのデータは後日グラフを作成しお渡しさせて頂きお身体についてお伝えさせて頂きます。

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