~非特異的腰痛・股関節のバイオメカニクスとの関係のシステマティックレビュー~

論文情報

この投稿は、~兵庫自費訪問リハビリ整体リ・サンテ宝塚~』が脳卒中や骨折、人工骨頭の手術後、腰痛のリハビリテーションに従事する医療従事者の方や、高齢者の転倒・介護予防に興味がある方に向けエビデンス情報を発信します。少しでも皆様のお役に立てればと思っています。

皆さん、臨床等で腰痛で悩んでいる方に多く遭遇すると思います。

遭遇した場合どんな評価やアプローチを行っていますか?

腰痛の方に対して、体幹や、股関節と言った場所の機能の評価やアプローチも行っていると思います。

これまでの研究で腰痛の方に対し体幹のみならず、股関節のバイオメカニクスについても多数報告されています。

この文献では、これらの腰痛と股関節機能についての研究をまとめてくれているのがこの文献になります。

そこで今回は、「~非特異的腰痛・股関節のバイオメカニクスとの関係のシステマティックレビュー~」について報告されている論文をご紹介させていただきたいと思います。

腰痛は症状の持続期間によって、6週間までの急性腰痛症、6~12週間の亜急性腰痛症、12週間以上の慢性腰痛症に分類されます。

~非特異的腰痛・股関節のバイオメカニクスとの関係のシステマティックレビュー~

本日紹介する論文

参考文献

Hip biomechanics in patients with low back pain, what do we know? A systematic review.2024

研究の目的

『非特異的腰痛患者において股関節の生体力学的評価を用いた観察研究を系統的にレビューすること』

方法

2024年2月22日にPubMed、Embase、Cinahl、Sportdiscusで、非特異的な急性、亜急性、慢性のLBPを有する成人の股関節の生体力学的変数(関節可動域、運動学、筋力、筋電図)を評価した観察研究を検索

記述子

1)研究の種類、2)LBP、3)股関節、4)生体力学的評価

研究の方法論的質はEpidemiological Appraisal Instrumentを用いて評価し、低、中、高に分類

生物力学的評価、ひいては適格な研究間の結果の異質性のため、記述的解析を行った

スケールスコアと方法論的質の分類は、2人の独立した査読者が行う

意見が一致しない場合は、3人目の査読者がコンセンサスを行いシステマティックレビューを行う

対象

対象

 ・患者は男女とも18歳以上

・査読のある科学雑誌に全文掲載されたもの

・ 観察研究(筋力、可動域、運動)

・急性、亜急性、慢性の非特異的LBP患者において、筋力、可動域、運動学、筋活性化、バラン ス、姿勢などを測定し、股関節のバイオメカニクス的評価を行った観察研究、すなわち横断 研究、コホート研究、症例対照研究を対象

除外基準

 ・妊婦

・神経根障害によるLBPと診断された患者および新生物

・炎症性疾患

・感染症

・外傷などの重篤な原因によるLBPと診断された患者

結果

合計54の研究がデータ抽出の対象

『可動域評価:9つ、運動学評価:16つ、筋力評価:4つ、筋電図評価:7つ、複数のアウトカム評価:18つ(運動学と可動域:6つ、可動域と筋電図:3つ、筋力と可動域:2つ、筋力、可動域、筋電図が1つ、筋電図と運動学が1つ、筋電図と運動学が2つ、筋電図、運動学、筋力が1つ、運動学と筋力が2つ』

研究の方法論的質は中程度

関節可動域

ゴニオメーター、傾斜計、Thomas、Ober、Straight leg raise testを用いて可動域の生体力学的評価を行った 

急性および慢性の慢性患者では股関節の全可動域の減少、特に股関節内旋・外旋可動域の減少を認める

筋力

徒手筋力テスト、圧力計、力変換器、ハンドヘルドダイナモメーターを用いた

主な動作は股関節外転であり、その結果、急性期~慢性期の腰痛患者では、健常者に比べて股関節外転筋と伸展筋が弱いことが示された

運動学

股関節の動きは、座位→立位→座位、座位→立位、歩行などの機能的活動中に評価

その結果

座位から立位では、慢性LBP患者は体幹の屈曲が制限され 、亜急性LBP患者は動作のタスク時間が短縮された

歩行時、慢性LBP患者は健常者と比較して歩行速度と歩幅 の減少を示した

筋電図

大殿筋、ハムストリングス、中殿筋を評価

筋の活性化は、座位から立位、立位から座位[52, 53]、立位[16, 55, 62]などの機能的活動まで、様々な活動で行われた

筋のテスト方法が異なるため、結果は各研究で大きく異なっていた

① 2つの研究では、中殿筋と大殿筋を運動中にテストし、慢性的なLBP患者と健常者の間に差は認められませんでした。

② 1つの研究[53]では、等尺性収縮中の半座位を評価し、慢性LBP患者と健常者の間に差は認めらない

③座位から立位、立位から座位を動的に評価し、慢性腰痛患者のハムストリング筋のピークまでの時間の活性化が健常者に比べて低下している

まとめ

今回のシステマティックレビューにより、腰痛を患っている方では、股関節の可動域(特に内外旋)、 股関節外転筋と股関節伸展筋の筋力、 動作中の速度の低下、体幹屈曲の制限と言った特徴があることが報告されています。

腰痛患者様の評価やアプローチを行う際股関節の生体力学を考慮することも重要かもしれません。

これにより、効果的な治療計画を立て症状の改善や今後の予防にも寄与する可能性があるため、今回ご紹介した論文が少しでもお役に立てればと思います。

兵庫県宝塚市の自費訪問リハビリ整体 リ・サンテとは

自費訪問リハビリ整体リ・サンテは、兵庫県宝塚市にオープンした脳卒中の方や人工関節の手術をされた方、足腰にお悩みを抱えている方を始め様々な方に密着し自費(保険外)での自宅や施設への訪問型のリハビリ整体です。

自費訪問リハビリ整体の特徴は

自宅や施設を訪問し病院で行われるリハビリと整体院で行われる施術の要素を併せ持つ生活に密着した業界初の生活圏全般をサポートし生活の質の向上を目的とした”自費リハビリ施設となっています。

リハビリ整体リ・サンテには医療機関で脳卒中後遺症の方や、人工関節の術後、骨折後などの身体を回復させるためのリハビリに従事し、高齢者のフレイル対策や介護予防、転倒予防の研修を受けた理学療法士(国家資格)の資格を持ったスタッフが在籍しています。

ここで培った知識を生かし、自宅や施設を訪問させて頂き、皆さんのお悩み事をを解決するために一人一人の身体の状態を把握し完全個別式のリハビリ&整体サービスを提供しています。

当自費リハビリ整体では単なる『マッサージ』や『筋力トレーニング』だけで終わらず、最新の予防医学をもとに個人個人のお身体に合わせたプログラムを作成し30分~60分間完全マンツーマンで施術させて頂きます。

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