ボディーイメージと痛みの関係:系統的レビューとメタ分析

論文情報

この投稿は、~兵庫自費訪問リハビリ整体リ・サンテ宝塚~』が脳卒中や骨折、人工骨頭の手術後、腰痛のリハビリテーションに従事する医療従事者の方や、高齢者の転倒・介護予防に興味がある方に向けエビデンス情報を発信します。少しでも皆様のお役に立てればと思っています。

皆さん!!

痛みを感じる身体部位の知覚が変化することで、身体全体に対する認識が変わり、これが行動や感情にまで波及する可能性があると言われています。

痛みの経験が長期間続くと、身体に対する否定的な態度や行動が強化され、適応的でない対処戦略(回避行動など)が取られることもあります。

そう言った、痛みを伴う場合、身体イメージの認識が変化し、その変化は痛みの強さや持続時間と関連があることが確認されています。特に、痛みの部位が異なる場合でも、身体イメージに同様の変化が現れる可能性があるという仮説も立てられています。

そこで今回は、「ボディーイメージと痛みの関係:系統的レビューとメタ分析」について報告されている論文をご紹介させていただきたいと思います。

ボディーイメージと痛みの関係:系統的レビューとメタ分析

本日紹介する論文

参考文献

Body Image Measured via the Fremantle Awareness Questionnaire in Individuals With and Without Pain: A Systematic Review and Meta-Analysis.2024

研究の目的

『痛みが身体イメージに及ぼす影響を系統的に分析し、身体イメージの歪みが痛みの強度や持続時間とどのように関連するかを明らかにすること』

特に、Fremantle Awareness Questionnaire(FAQ)を用いて、痛みを有する者と無痛の者の間での身体イメージの違いを検討し、メタアナリシスを通じて統合的な知見を得ることを目指した。

方法

本研究は、PRISMA 2020(Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses) に準拠し、事前登録(PROSPERO: CRD42022309937) されたプロトコルに基づいて実施

文献検索

キーワード

PubMed、Web of Science、PsycINFO、Scopus、ScienceDirectの5つの電子データベースを用い、「body image」「body awareness」「body perception」「pain」「Fremantle」「FreBAQ(Fremantle Back Awareness Questionnaire)」「FreKAQ(Fremantle Knee Awareness Questionnaire)」「FreNAQ(Fremantle Neck Awareness Questionnaire)」「FreSAQ(Fremantle Shoulder Awareness Questionnaire)」など

データ抽出・解析

  • 主要アウトカム:FAQスコア(身体イメージの歪みの指標)
  • 二次アウトカム:痛みの強度(安静時・運動時)、痛みの持続時間
  • 統計解析
  • メタアナリシス:無作為効果モデルを使用し、標準化平均差(SMD)と95%信頼区間(CI)を算出
  • メタ相関分析:身体イメージの歪みと痛みの強度・持続時間との関連を評価
  • 対象研究の質評価:Joanna Briggs Institute(JBI)の批判的評価ツールを用いて実施

対象

対象

・痛みを有する成人(急性または慢性の痛み)

・無痛の健康成人(比較対象)

除外基準

・ 8歳未満の未成年者

・神経疾患を有する患者(例:脳卒中、パーキンソン病)

・FAQ以外の方法(例:身体図、二点識別など)で身体イメージを測定  した研究
・レビュー論文、症例報告、観察研究

介入方法とアウトカム

フリーマントル認識質問票(FAQ)は、痛みのある身体部位に関する意識と本研究は系統的レビューおよびメタアナリシスのため、直接的な介入は行わないが、対象となる研究ではFAQ(Fremantle Awareness Questionnaire)を用いて痛みと身体イメージの評価が行われた。

FAQは、痛みを伴う特定の身体部位に対する自己認識の変容を測定する9項目の質問票であり、スコアが高いほど身体イメージの歪みが強いことを示す(スコア範囲:0~36)。

比較

  • 痛みを有する群 vs. 無痛の群
  • 異なる身体部位(腰、膝、首、肩)間での比較
  • 痛みの強度・持続時間との関連性

結果

研究選択

  • 検索結果:252件
  • 最終的にレビューに含まれた研究:25件(N = 3,156、痛みを有する者 = 2,541、無痛の者 = 615)
  • メタアナリシス対象:13件の研究(無痛群を含む)

痛み VS 無痛群

• 痛みを有する群では、FAQスコアが有意に高かった
• SMD = 1.33(95% CI: 0.88–1.77, I² = 82%)
• 無痛群のFAQスコア:2.47(SD = 1.62)
• 痛み群のFAQスコア:10.47(SD = 2.66)
• 異なる部位での身体イメージの歪みの比較
• 膝痛(13.52) > 首の痛み(11.89) > 背中の痛み(9.42) > 肩の痛み(9.1)

メタ相関分析

  • 身体イメージの歪みと痛みの強度
  • 正の相関あり(r = 0.31, p < 0.01, I² = 78.6%)
  • 運動時痛(r = 0.36, p < 0.01) の方が 安静時痛(r = 0.31, p < 0.01)よりも強く関連
  • 身体イメージの歪みと痛みの持続時間
  • 相関なし(r = -0.0068, p = 0.96)
  • 痛みの持続期間よりも強度が身体イメージの変化に影響する可能性

理学療法士としての臨床応用

  1. 身体イメージの歪みを考慮した治療アプローチの重要性
    • 痛みが運動制限や活動回避を引き起こすことがあるため、リハビリテーションにおいて患者の身体認識を修正する介入が有効
  2. 膝の痛みが最も大きな身体イメージの歪みを引き起こす
    • 下肢の痛みは歩行や日常動作に大きく影響し、不安感や自己効力感の低下につながる可能性
    運動療法に加え、認知行動療法的アプローチを取り入れることで改善が期待できる
  3. 視覚・触覚フィードバックを活用したリハビリテーション
    • 鏡療法やバーチャルリアリティ(VR)を活用したリハビリが、身体イメージの修正に効果的
    • 痛みと運動制御の関係を脳に再学習させることで、症状の軽減が期待できる

まとめ

• 痛みを有する者は、無痛の者よりも有意に身体イメージの歪みが大きい
• 痛みの強度が強いほど、身体イメージの歪みが強くなるが、痛みの持続時間とは関連がない
• 膝の痛みは特に身体イメージの歪みが強く、運動療法と心理的介入を組み合わせたアプローチが有効
• 視覚・触覚フィードバックを活用した治療戦略(例:鏡療法、VRリハビリ)が、痛みと身体イメージの改善に寄与する可能性

今回ご紹介した論文がリハビリ内容を考えていくうえで、1つの方法案として組み込み、より良いリハビリを提供いただければと思います。

兵庫県宝塚市の自費訪問リハビリ整体 リ・サンテとは

自費訪問リハビリ整体リ・サンテは、兵庫県宝塚市にオープンした脳卒中の方や人工関節の手術をされた方、足腰にお悩みを抱えている方を始め様々な方に密着し自費(保険外)での自宅や施設への訪問型のリハビリ整体です。

自費訪問リハビリ整体の特徴は

自宅や施設を訪問し病院で行われるリハビリと整体院で行われる施術の要素を併せ持つ生活に密着した業界初の生活圏全般をサポートし生活の質の向上を目的とした”自費リハビリ施設となっています。

リハビリ整体リ・サンテには医療機関で脳卒中後遺症の方や、人工関節の術後、骨折後などの身体を回復させるためのリハビリに従事し、高齢者のフレイル対策や介護予防、転倒予防の研修を受けた理学療法士(国家資格)の資格を持ったスタッフが在籍しています。

ここで培った知識を生かし、自宅や施設を訪問させて頂き、皆さんのお悩み事をを解決するために一人一人の身体の状態を把握し完全個別式のリハビリ&整体サービスを提供しています。

当自費リハビリ整体では単なる『マッサージ』や『筋力トレーニング』だけで終わらず、最新の予防医学をもとに個人個人のお身体に合わせたプログラムを作成し30分~60分間完全マンツーマンで施術させて頂きます。

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