姿勢の制御に重要な筋肉は?

論文情報

この投稿は、~兵庫自費訪問リハビリ整体リ・サンテ宝塚~』が脳卒中や骨折、人工骨頭の手術後、腰痛のリハビリテーションに従事する医療従事者の方や、高齢者の転倒・介護予防に興味がある方に向けエビデンス情報を発信します。少しでも皆様のお役に立てればと思っています。

皆さん!

転倒予防や歩行時のふらつき等を軽減させるために、不安定な環境下でのバランス練習や歩行練習などのリハビリを行なっているかと思います!

歩行バランスを制御している筋肉と言うと、どの筋肉が協調的に働いているか想像できますか?

今回は、「姿勢の制御に重要な筋肉は?」について報告されている論文をご紹介させていただきたいと思います。

姿勢の制御に重要な筋肉は?

本日紹介する論文

参考文献

Analysis of bilateral muscle coordination for characterizing neuromuscular function in postural control.2022

研究の目的

異なる支持面条件(安定面、中難易度、高難易度)における歩行バランス課題中の両脚同名筋の協調性を解析し、姿勢制御における神経筋機能の特徴を明らかにすること 

対象

対象

●健康な若年成人25名(男性14名、女性11名)年齢:平均25.6±4.0歳
●身長:175.0±8.3cm
●体重:71.0±11.5kg
●BMI:23.1±2.7
●活動レベル:平均週8.4±5.1時間の身体活動参加経験

除外基準

 ・ 神経学的または筋骨格系の既往歴がなく、少なくとも6か月以上のバランス特異的トレーニング歴がないことを条件

介入方法

3つの支持面条件でのバランス課題

条件1 

・安定面(SS):通常の床面。最も安定した条件。

条件2 

・中難易度面(MFTチャレンジディスク):直径44cm、高さ8cmのゴム製ディスク。

条件3 

・高難易度面(POWRXバランスボード):直径45cm、半球構造の木製ボード。可動範囲が広く、不安定な条件を模倣。

上記の条件下で

1.各支持面で15秒間の慣らし試行を行い、試験中は指示やフィードバックを与えず、姿勢を安定させ
2.各試験は60秒間で、試験間に1~3分間の休息を設定
3.足の配置位置やバランスボードの位置を標準化し、試験中は壁のターゲットを注視するよう指示

データ収集

各同名筋ペアについて、時間的類似性を示す相互相関係数を算出し、支持面の安定性による協調性の変化を分析主成分分析(PCA)を使用し、各筋群が姿勢バランス制御にどのように寄与しているかを明らかにする。これにより、筋協調の柔軟性や主要筋群の役割を特定する。

●筋電図(EMG)データはNoraxon TeleMyo™システム(1500Hzサンプリング)を使用

●両脚の7つの筋(前脛骨筋、大腿直筋、半腱様筋、大腿二頭筋、長腓骨筋、内側腓腹筋、ヒラメ筋)に表面電極を配置

●電極は、動きによるアーチファクトを最小化するため、皮膚に固定し、低抵抗インピーダンス(<6kΩ)を確保

比較

以下の項目について、支持面ごとに比較

1. 相互相関係数: 同名筋間の協調性を定量化

2. 遅延時間: 筋活動のタイミングの変化を評価

3. 主成分寄与率: 筋協調パターンの特徴を分析

結果

支持面の難易度による筋活動の変化

前脛骨筋の活動増加:不安定な支持面ほど前脛骨筋の活動が顕著に増加。高難易度条件でのEMG信号は安定面に比べて有意に大きかった。

時間遅延の増加:高難易度条件では相互相関の時間遅延が増加し、筋間の同期性に変化が見られた。

筋協調のパターン

●第1主成分(PC1):全体分散の26.5%を説明し、内側腓腹筋とヒラメ筋が主要な寄与筋。これらの筋は、不安定条件でのバランス維持において特に重要な役割を果たすことが示唆された。

●筋間の協調性の変化:高難易度条件では、筋間の協調パターンが複雑化し、多様な筋群の協調性が必要であることが明らかになった。

まとめ

今回ご紹介した報告では、支持面が不安定になるほど、前脛骨筋内側腓腹筋ヒラメ筋の活動が増加し、筋協調が変化することが分かりました。

具体的には、、、

腓腹筋内側頭は足首を安定させ、重心を調整する上で重要です。不安定な支持面で特に活性化が顕著となり、姿勢制御の基盤を提供し、ヒラメ筋は足首周辺の安定性を維持し、不安定面での微細な重心移動に対応します。腓腹筋内側と連携して作用することで、強力な制御力を発揮します。

この2つの筋に対して前脛骨筋が、足の挙上や前後方向の安定性をサポートし、特に支持面が傾いた場合や不安定な状態では、腓腹筋やヒラメ筋と対抗的に協働することで、動的安定性を維持することになります。

よってこれらの筋群の協調性は、リハビリテーションやトレーニングプログラムにおいて、不安定な支持面を用いたトレーニングの重要性を裏付けることもでき、臨床的な応用の可能性を示唆しています。

兵庫県宝塚市の自費訪問リハビリ整体 リ・サンテとは

自費訪問リハビリ整体リ・サンテは、兵庫県宝塚市にオープンした脳卒中の方や人工関節の手術をされた方、足腰にお悩みを抱えている方を始め様々な方に密着し自費(保険外)での自宅や施設への訪問型のリハビリ整体です。

自費訪問リハビリ整体の特徴は

自宅や施設を訪問し病院で行われるリハビリと整体院で行われる施術の要素を併せ持つ生活に密着した業界初の生活圏全般をサポートし生活の質の向上を目的とした”自費リハビリ施設となっています。

リハビリ整体リ・サンテには医療機関で脳卒中後遺症の方や、人工関節の術後、骨折後などの身体を回復させるためのリハビリに従事し、高齢者のフレイル対策や介護予防、転倒予防の研修を受けた理学療法士(国家資格)の資格を持ったスタッフが在籍しています。

ここで培った知識を生かし、自宅や施設を訪問させて頂き、皆さんのお悩み事をを解決するために一人一人の身体の状態を把握し完全個別式のリハビリ&整体サービスを提供しています。

当自費リハビリ整体では単なる『マッサージ』や『筋力トレーニング』だけで終わらず、最新の予防医学をもとに個人個人のお身体に合わせたプログラムを作成し30分~60分間完全マンツーマンで施術させて頂きます。

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