腕立て伏せ中の肩の筋活動~安定・不安定な環境での違い~

論文情報

この投稿は、~兵庫自費訪問リハビリ整体リ・サンテ宝塚~』が脳卒中や骨折、人工骨頭の手術後、腰痛のリハビリテーションに従事する医療従事者の方や、高齢者の転倒・介護予防に興味がある方に向けエビデンス情報を発信します。少しでも皆様のお役に立てればと思っています。

皆さん!

上肢のリハビリ中に、腕立て伏せや、腕立て伏せをベースとしたリハビリメニューを考えたことはありませんか?

上肢のトレーニングプログラムは、傷害のリスクを軽減しながら、安定性、筋力、可動性を高める必要があります。

CKCでのトレーニングは、安定性を高め、関節負荷を低くすることができるため、比較的多く用いられています。

腕立て伏せ中の主な肩関節の主動作筋活動

腕立て伏せ運動中の上肢筋のEMG活動が調査され、三角筋前部(AD)、大胸筋(PM)、上腕三頭筋(TB)

また近年、安定した面不安定な面でのさまざまな腕立て伏せと腕立て伏せ+エクササイズ中の筋活動に関する4つの系統的レビューとメタアナリシス研究が報告されています。不安定な表面の効果は主に肩甲骨の安定筋(すなわち、僧帽筋と前鋸筋)に対して評価されていますが、腕立て伏せ時の肩関節筋に対する報告はされていません。

そこで今回は、「腕立て伏せ中の肩の筋活動~安定・不安定な環境での違い~」について報告されている論文をご紹介させていただきたいと思います。

腕立て伏せ中の肩の筋活動~安定・不安定な環境での違い~

本日紹介する論文

参考文献

Electromyography of shoulder muscles in individuals without scapular dyskinesis during closed kinetic chain exercises on stable and unstable surfaces: a systematic review and meta-analysis.2024

研究の目的

『肩甲骨の運動障害がない人を対象に、安定した面と不安定な面における様々なタイプの腕立て伏せ中の主要な肩の可動筋の筋電図活動を比較すること』

方法

①Web of Science、PubMed、Scopus、Google Scholarなどの電子データベースで、事前に定義したキーワードを用いて2024年1月16日までに系統的なオンライン検索。

②スクリーニングされた1,971のタイトルと抄録のうち、80の論文が2人の独立した研究者によって詳細に検討され、適格性が確認された28の研究が最終的に組み入れられた。

③質とバイアスのリスクを評価した後、研究をエクササイズと筋群に基づいて分類し、ランダム効果モデルを用いたメタアナリシスを行い、全体のエフェクトサイズを推定した。

対象

対象

 ・肩甲骨運動障害(SICK肩甲骨症候群)、肩甲骨ウィング、肩甲骨ティッピング、肩甲骨下方回旋症候群、正常な肩関節の動きを伴う痛みなどの肩関節の異常がない被験者を含み、様々な安定した、または不安定な路面において、動作全体を通して手と足が支持基底部に接触した状態を維持しながら、両側腕立て伏せと腕立て伏せ+αのエクササイズの種類を検討し、肩の原動筋の筋活動を評価したもの。

・ 本研究では、査読プロセスを経た英文学術誌に全文が掲載された研究のみを対象

除外基準

 ・定または不安定な路面上での肩の筋活動のみを評価した研究や、長期的な適応プロトコルに焦点を当て、疲労条件下での筋活動を評価した研究

・総説、症例報告、学会論文、肩の筋電図活動に関する十分な情報を欠く研究はすべて除外した。

結果

2,736件の論文が同定されたが、最終は28の論文が組み入れ可能な研究として認められた。

 対象となった研究はすべて観察研究であり、肩甲骨の運動障害がない人を対象に、安定した面と不安定な面で異なるタイプの腕立て伏せ運動を行った際の肩の主要可動筋の筋電図活動を比較したものであった。 スクリーニングの結果、652名の健常者(女性136名、男性483名、性別不詳33名)が研究に組み入れられた。 

研究の質は平均6.46と良好。

メタアナリシスの結果、不安定な面を追加することで、腕立て伏せ中の三角筋前部の筋活動が低下することが示された。

腕立て伏せプラス中の大胸筋の筋活動は、安定した面と不安定な面の間で有意差はなかった。 しかし、不安定な路面を使用することで、膝立ち腕立て伏せと腕立て伏せ時の大胸筋の筋活動が増加した。

、膝立ち腕立て伏せの運動中に不安定な面を使用すると、上腕三頭筋の活動が増加することが示された

まとめ

今回のシステマティックレビューにより、三角筋前部の筋の活動を増加させるのに最も適したエクササイズは、安定した表面での腕立て伏せです。

また 大胸筋と上腕三頭筋の活動を同時に高めるには、膝立ち腕立て伏せと標準腕立て伏せの際に、手の下に不安定な面を加えることが推奨されています。

よって、腕立て伏せをリハビリで行う際、安定した面かまた、不安定な環境で行うかにより、働きやすい筋も異なり選択的にアプローチできるかもしれません。

今回ご紹介した論文が少しでもお役に立てればと思います。

兵庫県宝塚市の自費訪問リハビリ整体 リ・サンテとは

自費訪問リハビリ整体リ・サンテは、兵庫県宝塚市にオープンした脳卒中の方や人工関節の手術をされた方、足腰にお悩みを抱えている方を始め様々な方に密着し自費(保険外)での自宅や施設への訪問型のリハビリ整体です。

自費訪問リハビリ整体の特徴は

自宅や施設を訪問し病院で行われるリハビリと整体院で行われる施術の要素を併せ持つ生活に密着した業界初の生活圏全般をサポートし生活の質の向上を目的とした”自費リハビリ施設となっています。

リハビリ整体リ・サンテには医療機関で脳卒中後遺症の方や、人工関節の術後、骨折後などの身体を回復させるためのリハビリに従事し、高齢者のフレイル対策や介護予防、転倒予防の研修を受けた理学療法士(国家資格)の資格を持ったスタッフが在籍しています。

ここで培った知識を生かし、自宅や施設を訪問させて頂き、皆さんのお悩み事をを解決するために一人一人の身体の状態を把握し完全個別式のリハビリ&整体サービスを提供しています。

当自費リハビリ整体では単なる『マッサージ』や『筋力トレーニング』だけで終わらず、最新の予防医学をもとに個人個人のお身体に合わせたプログラムを作成し30分~60分間完全マンツーマンで施術させて頂きます。

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