この投稿は、『~兵庫自費訪問リハビリ整体リ・サンテ宝塚~』が脳卒中や骨折、人工骨頭の手術後、腰痛のリハビリテーションに従事する医療従事者の方や、高齢者の転倒・介護予防に興味がある方に向けエビデンス情報を発信します。少しでも皆様のお役に立てればと思っています。
皆さん!!
高齢になると、体力が落ちたり、関節が痛んだりし「毎日そんなに動けないよ」「もう歳だから無理できないし…」。
そう思って、座って過ごす時間が長くなっていませんか?
高齢者の健康づくりといえば「運動」が注目されがちですが、実は「座っている時間」そのものが、私たちの健康に深く関係していることが、近年の研究で明らかになっています。
そこで今回は、「1日8時間以上座ると認知症や寝たきりのリスクが急増!?〜高齢者9万人を追った衝撃の研究結果〜」について報告されている論文をご紹介させていただきたいと思います。
1日8時間以上座ると認知症や寝たきりのリスクが急増!?
本日紹介する論文
Sedentary behavior and the combination of physical activity associated with dementia, functional disability, and mortality: A cohort study of 90,471 older adults in Japan.2024
研究の目的
本研究の目的は、
【高齢者における「座りすぎ(座位行動:SB)」と「運動時間(中〜高強度の身体活動:MVPA)」の組み合わせが、認知症、機能障害(要介護)、死亡のリスクにどのような影響を与えるか】を明らかにすること。
これまで運動の重要性は強調されてきましたが、運動をしていても「長く座っていること」が持つ健康リスクに注目した研究は少なく、特に大規模な日本人高齢者コホートにおける明確なデータは限られていました。
本研究は、座位時間と運動時間の「量的関係性」だけでなく、「その組み合わせ」によってリスクがどのように変動するかに焦点を当てた意義深い試みとなっています。
方法
この前向きコホート研究として行われました。
調査データは、日本老年学的評価研究(JAGES)の2016年調査に基づいており、全国40自治体から無作為抽出された高齢者を対象にしています。
調査期間
• 2016年〜2021年(最大約5年間)
対象
・日本全国40地域に在住する、65歳以上の自立した高齢者 90,471名
• 調査開始時点で認知症または要介護認定を受けていた者
• データ不完全例
• 調査開始直後に死亡・離脱した者
調査方法
- 「1日どれくらい座っているか」
- 「どの程度、体を動かしているか(散歩、家事、運動など)」
これらを質問票で調査し、その後の経過として次の3つの出来事が起きたかどうかを追跡しました。
追跡した健康状態
- 認知症になったかどうか
- 介護が必要になったか(要支援2以上)
- 亡くなったかどうか
分析方法:座っている時間 × 運動時間を比較
研究では、1日の「座っている時間(SB)」と「運動している時間(MVPA=中〜高強度の身体活動)」をそれぞれ3段階に分類し、組み合わせて分析しました。
SBの区分:
• <3時間/日(短)
• 3〜8時間/日(中)
• ≥8時間/日(長)
MVPAの区分:
• 0時間(運動なし)
• 0〜1時間(中程度)
• ≥1時間(高い活動量)
比較群の設定
対象者を9群に分類し、それぞれの組み合わせがリスクに与える影響を比較しました。

※座位時間→SB
※運動時間→MVPA
結果
SBの独立した影響
認知症リスク:1.36倍
要介護リスク:1.32倍
死亡リスク:1.31倍
これは、運動時間(MVPA)を調整しても有意に高く、座っていること自体が独立したリスク因子であることを示唆します。
SBとMVPAの組み合わせの影響
- 最もリスクが高かったのは「SBが長くMVPAが少ない群」
- MVPAが高くても、SBが長いとリスクは完全には打ち消されなかった
- 「高MVPA+高SB」=「低MVPA+低SB」とほぼ同じリスクという結果
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結論とまとめ
- 1日に8時間以上座ることは、健康リスクを高める重大な要因である
- 運動をしていても、座っている時間が長ければリスクは高い
- 座位時間の短縮とMVPAの組み合わせが最も健康に良い
- 日常生活の中で“こまめに動く”ことが、特に高齢者にとって非常に重要である
理学療法士としての臨床応用
① 座位時間の“見える化”と評価
目的:
自分が1日どれだけ座っているかを自覚し、変化のきっかけを作る
具体例:
• 「1日の過ごし方チェックシート」で座っている時間を記録
• カレンダーやアプリに“座っていた時間”を色で記録する
現場での応用:
• 初回評価時にSB(座位時間)も含めて問診
• 通所リハや自宅訪問時にも「動作ごとの姿勢時間」を観察する
② こまめに立つ習慣づけ
目的:
長時間の連続座位を避け、血流・筋活動を促進する
具体例:
• 「30分に1回立つ」アラームやタイマーの活用
• テレビのCMごとに立ち上がる習慣づけ
• 電話は立ってかける
現場での応用:
• 立ち上がりやすい椅子配置の提案
• アラーム付き時計・リマインダーアプリの導入支援
③ 日常動作の回数・頻度を増やす
目的:
生活の中で自然に動く機会を増やし、身体活動量を底上げする
具体例:
• 洗濯物を1階と2階に分けて干す
• ゴミ捨てや郵便チェックを自分で行うように促す
• 配膳・片付けを数回に分けて行う
現場での応用:
• 家事分析シートで動作頻度を確認
• リハビリ計画に「活動回数」の目標を設定
④ 活動記録の導入
目的:
行動の振り返りや継続のモチベーションに繋げる
具体例:
• 歩数計、スマートウォッチを活用し記録を可視化
• 「今日3回立てた!」など簡単な成功体験の記録
• 家族と一緒にグラフで共有する
現場での応用:
• 記録アプリの使い方説明
• カレンダー形式の「運動日記」の配布・指導
⑤ 環境調整と動線の工夫
目的:
座りっぱなしを“やめたくなる”環境をつくる
具体例:
• よく使うものを立ち上がらないと届かない場所に配置
• 食器棚を2回に分けて使う(上段:コップ、下段:皿)
• ソファの前にミニ段差ステップを設置して「ちょっと動く」機会を演出
現場での応用:
• 自宅訪問で動線の分析・家具配置のアドバイス
• 通所施設で「立ちたくなる仕掛け」づくり
⑥ 患者教育と目標設定
目的:
本人の意欲と理解を深めて、自発的な行動変容を促す
具体例:
• 「立ち上がると血流が良くなって脳も元気になります」と説明
• 「1日3回立てたらカレンダーに○をつけよう!」などの行動目標設定
• 家族にも「座りすぎ声かけ」を依頼
現場での応用:
• 初回指導で「なぜ動くことが大切か」を丁寧に伝える
• 動機づけ面接法を使って本人の言葉を引き出す
【総括】
「座りすぎ」は、静かに進行するリスク因子となっています。
今後の理学療法は、機能訓練にとどまらず、生活習慣そのものに働きかける包括的支援が求められると思います!
兵庫県宝塚市の自費訪問リハビリ整体 リ・サンテとは
自費訪問リハビリ整体リ・サンテは、兵庫県宝塚市にオープンした脳卒中の方や人工関節の手術をされた方、足腰にお悩みを抱えている方を始め様々な方に密着し自費(保険外)での自宅や施設への訪問型のリハビリ整体です。
自宅や施設を訪問し病院で行われるリハビリと整体院で行われる施術の要素を併せ持つ生活に密着した‟業界初の生活圏全般をサポートし生活の質の向上を目的とした”自費リハビリ施設となっています。
リハビリ整体リ・サンテには医療機関で脳卒中後遺症の方や、人工関節の術後、骨折後などの身体を回復させるためのリハビリに従事し、高齢者のフレイル対策や介護予防、転倒予防の研修を受けた理学療法士(国家資格)の資格を持ったスタッフが在籍しています。
ここで培った知識を生かし、自宅や施設を訪問させて頂き、皆さんのお悩み事をを解決するために一人一人の身体の状態を把握し完全個別式のリハビリ&整体サービスを提供しています。
当自費リハビリ整体では単なる『マッサージ』や『筋力トレーニング』だけで終わらず、最新の予防医学をもとに個人個人のお身体に合わせたプログラムを作成し30分~60分間完全マンツーマンで施術させて頂きます。

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