この投稿は、『~兵庫自費訪問リハビリ整体リ・サンテ宝塚~』が脳卒中や骨折、人工骨頭の手術後、腰痛のリハビリテーションに従事する医療従事者の方や、高齢者の転倒・介護予防に興味がある方に向けエビデンス情報を発信します。少しでも皆様のお役に立てればと思っています。
高齢者にとって「床から自力で立ち上がる力」は、生活自立度の大きな指標となっています。
なぜかと言うと...
転倒後に自力で起き上がれないことは、長時間の放置による健康被害や、再転倒のリスクを高めるだけでなく、心理的な不安も増大させます。
よって理学療法士として、動作能力の評価と動作指導の中で、床からの立ち上がり動作は極めて重要な視点です。
そこで今回は、「高齢者が床から立ち上がる動作、その動作戦略とリハビリ応用—最新研究が明らかにする身体の使い方とは?」について報告されている論文をご紹介させていただきたいと思います。
高齢者が床から立ち上がる動作、その動作戦略とリハビリ応用—最新研究が明らかにする身体の使い方とは?
本日紹介する論文
The Biomechanics of Healthy Older Adults Rising from the Floor Independently.2023
研究の目的
本研究の目的は以下の3点です:
- 健康な高齢者が床から自力で立ち上がる際に使用する「動作戦略」を明らかにすること。
- 動作中の関節角度(特に股関節と膝関節)やバイオメカニクス的特性を評価すること。
- 性別による動作の違いや、筋骨格負荷の差異を検討すること。
方法
被験者20名(65歳以上)を対象とし、18台の赤外線カメラを用いた三次元動作解析(Viconシステム)を通じて、立ち上がり動作の詳細なデータを取得。さらに、股関節・膝関節・足関節の運動角度、各関節の角速度・加速度も解析されました。
筋電図(EMG)は用いられていませんが、動作にかかる関節運動から間接的に筋活動パターンが推察されました。参加者は自ら選んだ方法で床から立ち上がる課題に加え、10m歩行および反復立ち上がり動作テストも実施しました。
対象
・65歳以上で、身体的・認知的に自立して生活できる地域在住の高齢者。
・最近6か月以内の転倒歴
・骨・関節疾患による運動制限のある整形疾患
・神経疾患(例:パーキンソン病)
・重度の視覚・聴覚障害
・認知機能障害(MMSEカットオフ値未満)
介入方法とアウトカム
「介入方法」は、厳密には観察的評価であり、動作の指導や補助は行われていません。
参加者は日常生活で用いる自然な方法で床から立ち上がるよう求められ、その様子を三次元動作解析での記録です。
比較
3つの異なる立ち上がり戦略(sit-up法、side-sit法、roll-over法)について、運動学的特徴を比較分析。特に股関節・膝関節の屈曲角度、全動作時間、性別差などを焦点としました。



結果
戦略の分類と頻度
- Sit-up戦略:12名(60%)
- Side-sit戦略:4名(20%)
- Roll-over戦略:4名(20%)
動作時間
- 平均で約3~5秒程度で立ち上がりが完了
- Sit-up法がやや時間がかかる傾向があった
関節運動の特徴
- Sit-up法では股関節・膝関節の大きな屈曲が必要(股関節屈曲が平均100度以上、膝関節屈曲が120度前後必要、足関節10度以上)
- Side-sitおよびRoll-over法では股関節の屈曲角度は小さく、比較的穏やかな運動軌道
※Side-sit法に必要な可動域(股関節内外旋30~40度、膝関節、足関節10度以上)
※Roll-over法に必要な可動域(必須な可動域は少なく、股関節伸展30度、膝関節屈曲90度、足関節背屈15度以上、底屈5度以上でも可能)
- 足部は支持基底面の確保に重要な役割を果たす
性差
- 立ち上がり方法において男女間に有意差は認められなかった
安全性と安定性
- Side-sit法とRoll-over法は重心移動が滑らかで、バランス保持しやすい
まとめ
高齢者が床から立ち上がる際の動作には個人差があり、3種類の動作戦略が自然発生的に選択されていました。
特に、sit-up戦略では高い柔軟性と筋力が必要であり、全ての高齢者に適しているわけではありません。
Side-sitやRoll-overは、筋力的な負担が少なく、より広い高齢者層にとって現実的な選択肢といえます。
理学療法士としての臨床応用
- 個別対応の動作指導:
- 高齢者の身体能力に応じた最適な立ち上がり戦略を選択・練習することが重要
- 評価によってはSide-sit法やRoll-over法を推奨すべきケースも多い
- 高齢者の身体能力に応じた最適な立ち上がり戦略を選択・練習することが重要
- 床上動作の反復練習:
- 「床からの立ち上がり」自体を反復練習することで、緊急時(転倒時)の安全確保にも直結
- 「床からの立ち上がり」自体を反復練習することで、緊急時(転倒時)の安全確保にも直結
- 柔軟性と下肢筋力の強化:
- Sit-up法のような高難度動作には、臀筋・大腿四頭筋・腸腰筋の筋トレが必要
- 同時に股関節の可動域向上を目指したストレッチも効果的
- Sit-up法のような高難度動作には、臀筋・大腿四頭筋・腸腰筋の筋トレが必要
- 実生活に基づく評価と訓練:
- フィールドテスト(例:10m歩行、5回立ち上がりテスト)を併用することで、床上動作との相関を多面的に評価可能
- フィールドテスト(例:10m歩行、5回立ち上がりテスト)を併用することで、床上動作との相関を多面的に評価可能
【総括】
理学療法士は、高齢者の身体能力に応じた動作戦略を見極め、適切な運動療法を提供することで、高齢者の自立支援と転倒予防に貢献できると思います。
兵庫県宝塚市の自費訪問リハビリ整体 リ・サンテとは
自費訪問リハビリ整体リ・サンテは、兵庫県宝塚市にオープンした脳卒中の方や人工関節の手術をされた方、足腰にお悩みを抱えている方を始め様々な方に密着し自費(保険外)での自宅や施設への訪問型のリハビリ整体です。
自宅や施設を訪問し病院で行われるリハビリと整体院で行われる施術の要素を併せ持つ生活に密着した‟業界初の生活圏全般をサポートし生活の質の向上を目的とした”自費リハビリ施設となっています。
リハビリ整体リ・サンテには医療機関で脳卒中後遺症の方や、人工関節の術後、骨折後などの身体を回復させるためのリハビリに従事し、高齢者のフレイル対策や介護予防、転倒予防の研修を受けた理学療法士(国家資格)の資格を持ったスタッフが在籍しています。
ここで培った知識を生かし、自宅や施設を訪問させて頂き、皆さんのお悩み事をを解決するために一人一人の身体の状態を把握し完全個別式のリハビリ&整体サービスを提供しています。
当自費リハビリ整体では単なる『マッサージ』や『筋力トレーニング』だけで終わらず、最新の予防医学をもとに個人個人のお身体に合わせたプログラムを作成し30分~60分間完全マンツーマンで施術させて頂きます。

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