毎日のラジオ体操”はフレイルに効く?自宅でできる習慣が高齢者の心と体に与える影響

論文情報

この投稿は、~兵庫自費訪問リハビリ整体リ・サンテ宝塚~』が脳卒中や骨折、人工骨頭の手術後、腰痛のリハビリテーションに従事する医療従事者の方や、高齢者の転倒・介護予防に興味がある方に向けエビデンス情報を発信します。少しでも皆様のお役に立てればと思っています。

ラジオ体操は、日本人にとって最も身近な運動の一つです。誰もが一度は経験し、特別な道具も場所もいらず、日々の生活に簡単に取り入れることができます。

その一方で、「フレイル」と呼ばれる虚弱状態にある高齢者が、自宅でラジオ体操を続けることで、本当に心身の健康が保たれるのか——。

高齢者が地域で安心して暮らし続けるためには、心身の機能をできるだけ維持することが大切です。

そこで今回は、「毎日のラジオ体操”はフレイルに効く?自宅でできる習慣が高齢者の心と体に与える影響」について報告されている論文をご紹介させていただきたいと思います。

毎日のラジオ体操”はフレイルに効く?自宅でできる習慣が高齢者の心と体に与える影響

本日紹介する論文

参考文献

Effects of Radio-Taiso on Health-related Quality of Life in Older Adults With Frailty: a Randomized Controlled Trial.2024

研究の目的

この研究の目的は、

『フレイル(またはプレフレイル)と判断された高齢者が、自宅でラジオ体操を続けることで、心の健康(特に生活の満足感や意欲)に良い変化があるかどうかを確かめること。』

方法

この研究は、**12週間(約3か月)にわたるランダム化比較試験(RCT)**という方法で行われました。

参加者は無作為に「ラジオ体操を実施するグループ(介入群)」と、「ラジオ体操はせずに栄養指導のみを受けるグループ(対照群)」に振り分けられ、2つのグループを比較しました。

評価は、生活の質を測る質問票(SF-36)や身体機能、認知機能など、多角的に行われました。

対象

対象

• 東京都内在住の高齢者2005名をスクリーニングし、そのうちフレイルまたはプレフレイルと診断された1142名に参加案内を送付。

• 適格条件を満たした343名のうち226名が無作為に選ばれ、220名が最後まで評価を完了しました。 

除外基準

• 医師から運動を止められている人(心疾患、整形外科的問題など)

• 認知症の診断がある方

• その他、介入が困難と判断された方

介入方法とアウトカム

ラジオ体操群

• NHKの放送やDVDを活用し、毎日自宅でラジオ体操を実施(第一・第二・みんなの体操)。

• 実施状況を「運動日誌」に記録。

• 月2回、合計6回の**専門スタッフによる個別サポート(指導・相談)**あり。

対照群

• 運動指導は行わず、栄養に関するアドバイスや健康情報の提供のみ。

主な評価(主要アウトカム)

• 健康関連QOL(SF-36)の**「精神的健康」スコア(MCS)**の変化

その他の評価項目(副次アウトカム)

• 身体的健康(PCS)

• 社会的役割・交流(RCS)

• 身体機能(バランステストや歩行能力など) • 認知機能、うつ傾向、睡眠の質、血液検査の指標など

結果

ラジオ体操を続けたグループでは、精神的健康スコアに明確な改善は見られませんでした(スコア変化:介入群0.8、対照群1.0/統計的な差なし)。

しかしながら、以下のような身体面でのポジティブな変化が見られました:

バランス能力の向上

持久力(歩行)や敏捷性の改善

「自分にはできる」という気持ち(運動自己効力感)の向上

これらは、生活動作を安全に行うための土台となる能力であり、日常生活を維持するうえで極めて重要です。

まとめ

•精神的な健康状態には大きな変化は見られなかったものの、身体機能の改善や、運動に対する自信の向上といった点では、ラジオ体操は効果的だったといえます。

特にフレイルの段階にある方にとって、「できる運動がある」「毎日続けられる」という実感は、それだけで価値があります。

無理のない範囲で継続できる運動を日常生活に取り入れることで、転倒予防や生活自立の維持につながる可能性があることが示されました。

理学療法士としての臨床応用

1. 「続けられる運動」が力になる

ラジオ体操は、運動に対する心理的ハードルが低く、誰でも取り組みやすいことが大きな利点です。日々の習慣に組み込みやすく、理学療法士が「自宅でできる運動」として勧めるには非常に有用です。

2. 身体機能の維持・改善に有効

敏捷性や持久力、バランスの改善は、転倒予防や移動能力の維持に直結します。ラジオ体操だけで全てをカバーすることは難しいかもしれませんが、「ベースの体力作り」として活用できます。

3. 「体操+交流」の組み合わせが理想

精神的な側面に効果がなかったことから、運動に「社会的つながり」を加えることが今後の課題です。たとえば、週1回のグループ体操や、ビデオ通話での見守りといった形で、孤立を防ぐ工夫も考えられます。

ラジオ体操は、フレイル高齢者にとって「今すぐ」「自宅で」「一人でも」始められる数少ない運動の一つです。精神面への影響は限定的だったものの、身体的な力の土台を支えるという点で、理学療法の現場でも十分活用できるツールではないかと思います。

兵庫県宝塚市の自費訪問リハビリ整体 リ・サンテとは

自費訪問リハビリ整体リ・サンテは、兵庫県宝塚市にオープンした脳卒中の方や人工関節の手術をされた方、足腰にお悩みを抱えている方を始め様々な方に密着し自費(保険外)での自宅や施設への訪問型のリハビリ整体です。

自費訪問リハビリ整体の特徴は

自宅や施設を訪問し病院で行われるリハビリと整体院で行われる施術の要素を併せ持つ生活に密着した業界初の生活圏全般をサポートし生活の質の向上を目的とした”自費リハビリ施設となっています。

リハビリ整体リ・サンテには医療機関で脳卒中後遺症の方や、人工関節の術後、骨折後などの身体を回復させるためのリハビリに従事し、高齢者のフレイル対策や介護予防、転倒予防の研修を受けた理学療法士(国家資格)の資格を持ったスタッフが在籍しています。

ここで培った知識を生かし、自宅や施設を訪問させて頂き、皆さんのお悩み事をを解決するために一人一人の身体の状態を把握し完全個別式のリハビリ&整体サービスを提供しています。

当自費リハビリ整体では単なる『マッサージ』や『筋力トレーニング』だけで終わらず、最新の予防医学をもとに個人個人のお身体に合わせたプログラムを作成し30分~60分間完全マンツーマンで施術させて頂きます。

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