サルコペニア評価におけるSPPB基準値?? 

論文情報

この投稿は、~兵庫高齢者特化型の介護予防・転倒予防~訪問リハビリ整体院リ・サンテ宝塚が高齢者のリハビリテーションに従事する医療従事者の方や、高齢者の転倒・介護予防に興味がある方に向けエビデンス情報を発信します。少しでも皆様のお役に立てればなと思っています。

今回は、「サルコペニア評価におけるSPPB基準値?? 」についてと言うテーマでお送りしていきたいと思っています。

転倒は、世界中の高齢者の身体的損傷及び損傷関連死亡の主要原因であり、不必要または予防可能な入院を増加させ、社会及び医療制度に大きな財政負担となります。

また、高齢者の転倒の危険性や経験が自立した生活を維持するために有害な影響を与えるため転倒を減らすことが不可欠です。この転倒を減らすための予防の1つは、転倒リスクの高い高齢者を正確に特定することが必要です。

今、高齢者のリハビリに携わる方や、予防分野に携わる方のアプローチの一助になれればと思います。

サルコペニア評価におけるSPPB基準値?? 

本日紹介する論文

研究の目的

背景
身体機能は、特に高齢者において健康の重要な指標となります。身体機能の低下は、より悪い生活の質、および認知障害、施設入所、死亡などの有害な健康アウトカムと関連しています。加齢に伴う機能低下に伴う大きな負担を考えると、地域在住の成人における身体機能の低下を緩和し、機能障害や依存を遅らせるためには、早期発見と介入が重要です。

SPPB(Short Physical Performance Battery)は、地域や臨床の場における身体機能の有効かつ信頼できる測定法であり、バランス下半身の筋力移動性を測定する3つの時間測定項目【バランス、5回繰り返しの椅子式立ち座り(STS)、通常歩調での歩行速度(GS)】から構成されています。

SPPBスコアの低下は、QOLの低下移動能力の損失障害死亡率を予測することが示されており、したがって、SPPBは、最小限の時間、専門知識、設備で実施できるため、機能障害のリスクのある地域居住者の早期層別化に有用である可能性があります。

SPPBはまた、加齢に伴う筋肉量、筋力、機能の進行性低下であるサルコペニアを定義するための身体能力の基準として使用されており、サルコペニアは、虚弱、入院、死亡率などの健康上の有害な結果と関連しています。

サルコペニアの診断には、European Working Group on Sarcopenia in Older People (EWGSOP) や Asian Working Group on Sarcopenia (AWGS) など、いくつかの定義やカットオフ値が存在します。最近、AWGSはサルコペニアの新しいカットオフ値(AWGS19)を提案し、その結果、サルコペニアの有病率は男性で13~36%、女性で12~47%とばらつきが観測されており、これらの異なるサルコペニアの定義とカットオフ値は、リスクのある高齢者のサルコペニアの診断と管理に影響を与える可能性があります。

さらに、推奨されるサルコペニアの診断には、高価な機器と訓練を受けた人が必要であり、集団レベルのサルコペニアのスクリーニングには理想的ではないかもしれません。高齢化に伴いサルコペニアの有病率が増加していることから、サルコペニアを評価する簡単なマーカー(例:SPPB)は、この疾患のより広い発見と管理に有用であると考えられます。

よって

研究の目標は

①21歳以上の地域在住のシンガポールの成人におけるSPPBの性および年齢に特異的な基準値を提供すること。

②6mGS、STS時間、SPPBスコアなどの身体能力に関する各AWGS19基準に従って、サルコペニアおよび重症サルコペニアの評価におけるSPPBおよび個々の下位検査(8フィートGSおよびSTS)の最適なカットオフ値と性能を決定し、比較すること。

対象

参加者
日常生活動作が自立しており、コントロール不良の併存疾患が5つ未満で、神経筋障害認知障害のない21歳以上の地域居住の成人が募集された。

無作為抽出により、男女各300名、年齢層(21歳から60歳までの10年間と60歳以降の5年間)で20〜40名の代表サンプルを抽出した。

ヘルシンキ宣言による関連ガイドラインと規則、およびベルモントレポートの倫理原則に従い、国立ヘルスケアグループDSRBから倫理的承認を得た(2017/00212)。

参加者全員が書面でのインフォームドコンセントを行い、研究に参加した。

方法

評価方法

体重と身長は、それぞれ電子体重計と身長計(SECA, Hamburg, Germany)を用いて測定した。

ボディマス指数(BMI)は、体重(kg)÷身長(m)の2乗で算出した。

参加者は、教育レベル、病状および併存疾患を申告した。

握力

Jamar Plus+ Digital Hand Dynamometer (Patterson Medical, Cedarburg, WI) を用いて測定した。

参加者は腕を90度外転(肩の高さまで横に手を広げた状態)させた状態で座った。30秒の休憩を挟み、片腕2回ずつ交互に試行し、高い方の数値を利用した。

GS

6mのGAITRite Walkway (CIR Systems Inc., Sparta, NJ)を使用。

2mのリードイン・アウトフェーズで評価した。参加者は3回の試行を行い、平均的なタイミングを記録した。

身体組成

二重X線吸収法(Discovery WI, Hologic Inc.)上肢と下肢の除脂肪体重の合計を除脂肪体重(ALM)と定義した。

身長補正した除脂肪体重(ALM/h2)は,ALM(kg)を身長(m)の二乗で割った値として算出した。

SPPB

SPPB は、バランス、筋力、移動性を含む下肢機能を評価する。SPPBは3つの下位検査(すなわち、バランス、GS、STS時間)から構成。

バランス検査は3つのパートから構成され、その難易度は、片足立ち、セミタンデム立ち、フルタンデム立ちと段階的に変化する。参加者は、動くか10秒経過するまで計測。

GS

参加者が通常のペースで8m歩き、移動開始することで評価された。2回の試行で平均タイムを記録した。

STSの評価には、参加者は腕を胸で組み、できるだけ早く5回の椅子立ちを行った。

3つのサブテストそれぞれを0から4で採点し0から12までの3つのサブテストの合計を総得点とした。

SPPBスコアが高いほど、身体機能が優れていることを示す。

結果

男女ともサルコペニアの判別に最適なカットオフは、SPPB≦11点GS subtest ≦1.0 m/sであった。

重症サルコペニアの定義に応じた最適なカットオフ値は、男女ともSPPB≦11点GSは男性で≦0.9m/s、女性で≦1.0m/sが最も多く見られた。

まとめ

まとめです。

今回サルコペニアを判定するテストであるSPPBとGSでのカットオフ値を導き出した論文をご紹介しました。

しかしサルコペニアで定義されているカットオフ値とは同じではありませんが、大きく離れているわけではありません。

少しでも早期にサルコペニアの状態を発見し予防や改善を図ることにより、悪い生活の質、および認知障害、施設入所、死亡リスクを軽減させることができると思います。

少しでもご自身の身体の状態が気になった方は、ご連絡をお待ちしています。

兵庫県宝塚市の訪問リハビリ整体 リ・サンテとは

訪問リハビリ整体リ・サンテは、兵庫県宝塚市にオープンした地域の高齢者を始め様々な方に密着し転倒予防介護予防を目的とした自宅訪問型のリハビリ整体です。

当整体院では兵庫県宝塚市の高齢者の方を始めとし、介護予防転倒予防体のケアを目的に筋力やバランス能力向上、動作指導を行う自費(保険外)のリハビリ訪問整体です。

訪問リハビリ整体の特徴は

自宅を訪問させて頂き病院で行われるリハビリと整体院で行われる施術の要素を併せ持つ生活に密着した業界初の生活圏全般をサポートする”整体院となっています。

訪問リハビリ整体リ・サンテには医療機関で高齢者の身体を回復させるためのリハビリに従事し、高齢者のフレイル対策介護予防転倒予防の研修を受けた理学療法士(国家資格)の資格を持ったスタッフが在籍しています。

ここで培った知識を生かし、高齢者の介護・転倒予防、運動不足解消を目的自宅を訪問させて頂き、高齢者一人一人の身体の状態を把握し完全個別式のリハビリ&整体サービスを提供しています。

当整体院では単なる『マッサージ』や『筋力トレーニング』だけで終わらず、最新の予防医学をもとに個人個人のお身体に合わせたプログラムを作成し60分間完全マンツーマンで施術させて頂きます。

※お身体の関節筋肉の状態、バランス能力数値化し、そのデータは後日グラフを作成しお渡しさせて頂きお身体についてお伝えさせて頂きます。

訪問リハビリ整体リ・サンテで施術ご希望の方はこちら!

訪問リハビリ整体リ・サンテにて施術のご相談やご質問がある方は、お気軽にご連絡ください!

ホームページはこちらになります

兵庫訪問リハビリ整体リ・サンテ宝塚HP

当整体院では様々な方に体験して頂くために‟初回無料体験”を実施しています。

ぜひご興味が御座いましたら、いつでもご相談ください!

《お問い合わせはこちら》

コメント