膝にやさしい運動はどれ?35種類の動作で負荷を徹底比較!

論文情報

この投稿は、~兵庫自費訪問リハビリ整体リ・サンテ宝塚~』が脳卒中や骨折、人工骨頭の手術後、腰痛のリハビリテーションに従事する医療従事者の方や、高齢者の転倒・介護予防に興味がある方に向けエビデンス情報を発信します。少しでも皆様のお役に立てればと思っています。

皆さん!!

『膝が痛い…でも、運動をしないと治らない?』

膝の前が痛くなる「膝蓋大腿関節痛(PFP)」は、スポーツをする人から日常生活で階段を使う人まで幅広い人に起こります。

でも『どんな運動が膝に負担をかけるのか?』、『リハビリに適した運動は?』と悩む方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「膝にやさしい運動はどれ?35種類の動作で負荷を徹底比較!」について報告されている論文をご紹介させていただきたいと思います。

膝にやさしい運動はどれ?35種類の動作で負荷を徹底比較!

本日紹介する論文

参考文献

Patellofemoral Joint Loading Progression Across 35 Weightbearing Rehabilitation Exercises and Activities of Daily Living.2023

研究の目的

膝蓋大腿関節(patellofemoral joint, PFJ)の荷重を定量化し、膝蓋大腿痛(patellofemoral pain, PFP)のリハビリテーションにおける荷重進行を評価することであり

特に『35種類の荷重を伴うリハビリテーション運動および日常生活動作における膝蓋大腿関節の荷重レベルを定量化し、比較・分類すること』

方法

本研究は記述的実験研究(descriptive laboratory study)であり、20名の健常成人を対象に、モーションキャプチャおよび床反力測定を用いて各運動時の膝蓋大腿関節荷重を定量化した

対象

対象
  • 健康な成人(18〜40歳)
  • 過去6か月以内に膝関節や脊椎の損傷歴がないこと
  • 理学療法士による評価で、前膝部痛(anterior knee pain)およびPFJの既往歴がないこと

除外基準
  • 過去に膝蓋大腿関節の損傷または疼痛を経験した者
  • 歩行や運動時に補助具を必要とする者

実験手順

1.モーションキャプチャと床反力測定

  • 31個の反射マーカーを装着し、膝関節屈曲角度および伸展モーメントを計測
  • 3枚の床反力計(force plates)を使用し、地面反力を1000Hzで記録

2.運動課題の実施

  • 参加者は35種類の荷重運動および日常生活動作を実施
  • 各運動は4つのモジュールに分け、3〜5分の休息を設けた
  • 各運動は経験豊富な理学療法士が指導し、3回ずつ測定

データ処理と荷重指標の算出

  • 膝屈曲角度、伸展モーメントを基に膝蓋大腿関節荷重を推定
  • 荷重インデックス(loading index)を作成し、荷重レベルを低(Tier 1)、中(Tier 2)、高(Tier 3)の3段階に分類

介入方法

本研究では、35種類の荷重運動および日常生活動作を対象とした 。

  1. 歩行
  2. 低い段差昇降(10cm)
  3. 低い段差降下(10cm)
  4. 60度屈曲のスクワット
  5. 高い段差昇降(20cm)
  6. 片脚立ち(2.9)
  7. ヒールレイズ(踵上げ)
  8. つま先立ち
  9. 両脚での軽いジャンプ
  10. 立ち上がり動作
  11. 前屈スクワット
  12. ランニング
  13. 片脚スクワット(60°)
  14. ブルガリアンスクワット
  15. 片脚ステップダウン(20cm
  16. スクワット(フルレンジ)
  17. ランジ(前方)
  18. ランジ(側方)
  19. ウォールスクワット
  20. ジャンプランディング
  21. ランニング停止動作
  22. ウォールシット(静止姿勢)
  23. シングルレッグヒールレイズ
  24. ラン&カット(急な方向転換)
  25. フル片脚スクワット
  26. スペインスクワット(3秒保持)
  27. 片脚デクラインスクワット
  28. プライオメトリックジャンプ
  29. 片脚ジャンプ着地
  30. 前向きドロップジャンプ
  31. 横向きドロップジャンプ
  32. 反復横跳び
  33. 階段ダッシュ
  34. アジリティドリル(カット&ターン)
  35. 加速&減速ラン

比較

各運動の負荷指標(loading index)を算出し、負荷レベルに応じて以下の3つのカテゴリに分類

  1. 低負荷(Tier 1):歩行や軽度のステップ運動(例:歩行 0.6倍体重、低ステップアップ 1.7倍体重)
  2. 中負荷(Tier 2):ランニングやスクワット、ジャンプ(例:ランニング 5.4倍体重、ランジ 5.1倍体重)
  3. 高負荷(Tier 3):高負荷スクワット(例:シングルレッグデクラインスクワット 8.2倍体重)

結果

  • 負荷レベルの多様性:大半の運動(69%)は中負荷(Tier 2)に分類され、リハビリプログラムに適した運動が多数含まれる。
  • 低負荷運動の少なさ:歩行に近い負荷の運動が少なく、低負荷リハビリには工夫が必要
  • 高負荷運動の特徴:高負荷運動(Tier 3)は深い膝屈曲を伴うスクワット系が多く、運動強度の増加に伴い負荷が増す傾向があった。

まとめ

本研究は、膝蓋大腿関節における35種類の運動負荷を定量化し、それぞれの運動の負荷レベルを明確に分類しました。

この結果は、PFP患者のリハビリテーションにおける適切な運動選択の指標となる可能性があります。

今回ご紹介した論文の負荷指標は、PFP患者の状態に応じたリハビリ計画を立てやすくなり、より効果的なリハビリテーションが提供で切るのではないかなと思います。

理学療法士としての臨床応用

1.リハビリ初期(低負荷:Tier 1)

目標:痛みの管理、膝蓋大腿関節への負荷適応、動作の再教育

推奨運動
• 歩行(0.6倍体重):負荷が最も低く、安全な移動手段として活用
• 低ステップアップ(10cm, 1.7倍体重):軽度の荷重増加に適し、膝伸展筋の活性化
• 60°スクワット(2.5倍体重):深くしゃがまずに膝関節を安定化
• 低ステップダウン(10cm, 3.1倍体重):片脚支持の強化と段差降りの動作学習

ポイント
• 痛みを誘発しない範囲で実施(VAS 3以下を目安
• 膝関節のアライメントを重視し、過剰な内反・外反を避ける
• 荷重コントロールを指導し、患者に「どの動作で負担がかかるか」を自覚させる

2.リハビリ中期(中負荷:Tier 2)

目標:日常生活レベルでの運動機能向上、筋力強化、可動域改善

推奨運動
• ランニング(5.4倍体重):持続的な衝撃負荷に適応
• ランジ(5.1倍体重):膝関節の前後安定性向上、股関節・体幹の協調運動
• 片脚スクワット(60°, 4.4倍体重):支持脚の安定性向上、バランス強化
• バルガリアンスクワット(4.7倍体重):片脚での荷重耐性向上

ポイント
• 片脚荷重の練習を強化し、実生活に即した運動を導入
大腿四頭筋・殿筋の同時活性化を促すエクササイズを選択
• 疼痛閾値を考慮しながら負荷を調整(VAS 3~4以内

3.リハビリ最終段階(高負荷:Tier 3)

目標:スポーツ復帰、最大筋力発揮、爆発的な動作の獲得

推奨運動
• シングルレッグデクラインスクワット(8.2倍体重):膝蓋腱への高負荷負荷適応
• 3秒間スペインスクワット(4.5倍体重):アイソメトリック負荷で耐久性向上
• 片脚フルスクワット(6.9倍体重):片脚の動的安定性と筋力強化

ポイント
• スポーツ復帰を目指す場合、素早い動作や方向転換を含めたトレーニングを導入
• 疼痛管理を継続しつつ、最大負荷運動を段階的に増やす
• 爆発的な動作(プライオメトリック)を取り入れ、実際の競技動作に適応させる

35種類の運動の荷重量

Tier 1(低荷重運動:0.6〜4.9倍体重)

リハビリ初期に適した軽度の荷重を伴う運動や日常生活動作

  1. 歩行(0.6倍体重)
  2. 低い段差昇降(10cm, 1.7倍体重)
  3. 低い段差降下(10cm, 3.1倍体重)
  4. 60度屈曲のスクワット(2.5倍体重)
  5. 高い段差昇降(20cm, 3.6倍体重)
  6. 片脚立ち(2.9倍体重)
  7. ヒールレイズ(踵上げ, 3.0倍体重)
  8. つま先立ち(3.3倍体重)
  9. 両脚での軽いジャンプ(4.2〜4.9倍体重)
  10. 立ち上がり動作(3.5倍体重)
  11. 前屈スクワット(4.0倍体重)

Tier 2(中等度荷重運動:4.3〜7.1倍体重)

PFPの回復期に適した中等度の荷重を伴う運動

  1. ランニング(5.4倍体重)
  2. 片脚スクワット(60°, 4.4倍体重)
  3. ブルガリアンスクワット(4.7倍体重)
  4. 片脚ステップダウン(20cm, 5.8倍体重)
  5. スクワット(フルレンジ, 4.5倍体重)
  6. ランジ(前方, 5.1倍体重)
  7. ランジ(側方, 5.3倍体重)
  8. ウォールスクワット(5.0倍体重)
  9. ジャンプランディング(5.2倍体重)
  10. ランニング停止動作(5.2倍体重)
  11. ウォールシット(静止姿勢, 4.9倍体重)
  12. シングルレッグヒールレイズ(4.5倍体重)
  13. ラン&カット(急な方向転換, 7.1倍体重)

Tier 3(高荷重運動:6.9〜8.2倍体重)

PFPの後期リハビリやスポーツ復帰期に適した高荷重運動

  1. フル片脚スクワット(6.9倍体重)
  2. スペインスクワット(3秒保持, 4.5倍体重, 荷重インパルス13.0倍体重秒)
  3. 片脚デクラインスクワット(8.2倍体重)
  4. プライオメトリックジャンプ(6.8倍体重)
  5. 片脚ジャンプ着地(7.5倍体重)
  6. 前向きドロップジャンプ(6.7倍体重)
  7. 横向きドロップジャンプ(7.0倍体重)
  8. 反復横跳び(7.1倍体重)
  9. 階段ダッシュ(6.9倍体重)
  10. アジリティドリル(カット&ターン, 7.3倍体重)
  11. 加速&減速ラン(7.4倍体重)

兵庫県宝塚市の自費訪問リハビリ整体 リ・サンテとは

自費訪問リハビリ整体リ・サンテは、兵庫県宝塚市にオープンした脳卒中の方や人工関節の手術をされた方、足腰にお悩みを抱えている方を始め様々な方に密着し自費(保険外)での自宅や施設への訪問型のリハビリ整体です。

自費訪問リハビリ整体の特徴は

自宅や施設を訪問し病院で行われるリハビリと整体院で行われる施術の要素を併せ持つ生活に密着した業界初の生活圏全般をサポートし生活の質の向上を目的とした”自費リハビリ施設となっています。

リハビリ整体リ・サンテには医療機関で脳卒中後遺症の方や、人工関節の術後、骨折後などの身体を回復させるためのリハビリに従事し、高齢者のフレイル対策や介護予防、転倒予防の研修を受けた理学療法士(国家資格)の資格を持ったスタッフが在籍しています。

ここで培った知識を生かし、自宅や施設を訪問させて頂き、皆さんのお悩み事をを解決するために一人一人の身体の状態を把握し完全個別式のリハビリ&整体サービスを提供しています。

当自費リハビリ整体では単なる『マッサージ』や『筋力トレーニング』だけで終わらず、最新の予防医学をもとに個人個人のお身体に合わせたプログラムを作成し30分~60分間完全マンツーマンで施術させて頂きます。

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