この投稿は、『~兵庫自費訪問リハビリ整体リ・サンテ宝塚~』が脳卒中や骨折、人工骨頭の手術後、腰痛のリハビリテーションに従事する医療従事者の方や、高齢者の転倒・介護予防に興味がある方に向けエビデンス情報を発信します。少しでも皆様のお役に立てればと思っています。
年齢とともに「つまずきやすくなる」「歩くスピードが落ちた」「階段がきつい」などの変化は誰にでも起こります。
しかし、体の衰えは“放っておくと進む”一方で、正しい運動を続ければ確実に取り戻すこともできると多くの研究が示しています。
「運動した方がいいのは知ってる。でも何をしたら良いの?」
そんな疑問に科学的に答えてくれる内容になっています。
今回紹介するのは、『「筋トレ」と「バランス練習」を組み合わせた運動を半年続けると、高齢者の「歩く速さ」「ふらつきにくさ」「体力」がどれだけ改善するのか』を調べた研究です。
「転ばない体は作れる!“筋トレ+バランス練習”で歩きやすさが劇的アップした科学的理由」
本日紹介する論文
A 24-Week Combined Resistance and Balance Training Program Improves Physical Function in Older Adults: A Randomized Controlled Trial.2024
研究の目的
高齢者の転倒予防や体力向上のために、筋トレはよくすすめられます。
ただし、実際の生活では「筋力」だけでなく「バランスを保つ力」もとても大事です。
そこで研究者は、
“筋トレだけ”より、“筋トレ+バランス練習”の方が体の機能がもっと良くなるのでは?
と考え、その効果を確かめることを目的としました。
方法
参加者を 3 つのグループに分けました
- 筋トレだけのグループ(RT)
- 筋トレ+バランス練習のグループ(RBT)
- 運動しないグループ(Control)
運動は 週3回、1回45分、合計24週間(6か月)。
動作が重くなったり不安定になってきた年代(60〜74歳)を対象に、安全にできるよう指導者のもとで実施されました。
効果の判定には、
• 歩く速さ
• 椅子から立ち上がる速さ
• バランス(転びにくさ)
• 筋力
• 呼吸機能
など、日常生活に直結する能力を測定しました。
対象
• 60〜74歳
• 自立した生活を送っている
• 普段あまり運動していない
• 心臓や神経の病気で運動が危険な人
• 重度の関節痛がある人
• 運動プログラムを安全に行えないと判断された人
介入方法
1. 筋トレ(全グループが実施)
• 椅子の立ち座り
• スクワット
• 腕の曲げ伸ばし
• 足の横移動
• ステップ動作
日常動作に直結するシンプルで安全なメニューです。
2. バランス練習(RBTグループのみ)
• 不安定な台(バイブレーションプラットフォーム)を使う
• 片足立ちや踏み出し動作
• 上半身と下半身を一緒に使う動的なバランス練習
➡ 不安定な状況で体をコントロールすることで、
「とっさのふらつきに強い体」を作る点が特徴です。
比較
• 筋トレだけ
• 筋トレ+バランス
• 運動しない
という 3 群の変化を見ました。
「筋トレにバランス練習を足す価値があるのか?」を明確にするための比較です。
結果
最も大きく改善したのは 筋トレ+バランス(RBT)グループでした。
筋トレ+バランス(RBT)グループ
🌟 主な改善ポイント
- 歩く速さが有意にアップ
→ 速く歩ける人は転倒リスクが低いことが知られています。 - イスからの立ち上がりが速くなった
→ 下半身の筋力と立ち上がり能力の改善。 - バランス能力が大きく向上
→ とっさに身体を支える能力が高まり、転びにくい体に。 - 上半身・下半身ともに筋力アップ
→ 生活動作が軽くなる。 - 呼吸機能にも良い影響
→ 深くしっかり息ができることで疲れにくくなる。
🎯 筋トレのみ(RT)
改善はあったが、RBTほど強くはなかった。
🚫 運動なし(Control)
ほとんど変化なし。
まとめ
「筋トレだけより、筋トレ+バランス練習の方が高齢者の体の機能を幅広く改善する」
特に「歩行」「バランス」「立ち上がり」などの生活動作の向上が大きく、
日常生活の安全性を高め、転倒予防に強い効果が期待できます。
理学療法士としての臨床応用
高齢者への運動処方
•「筋力トレーニング+バランス訓練 (不安定性を伴う運動)」を定期的 (週 2–3 回) 組み込むことを強く考慮すべき。特に、「椅子立ち上がり」「スクワット」「ステップ」「側方移動」など日常動作に近い運動は、自宅環境でも応用しやすい。
歩行速度 (特に通常歩行) や動的バランスを重視したリハビリ目標設定
•筋力だけでなくバランス能力にも介入すれば、「歩行能力の底上げ」「転倒予防」「寝たきり予防」につながる。
定期モニタリング
• TUG、椅子立ち上がりテスト (30sec CST)、歩行速度などを定期的に測定し、経過を確認。改善があれば本人のモチベーションも上がるし、介入効果の実感にもつながる。
パーソナライズ
• 対象者の年齢、筋力レベル、バランス能力、既往歴、家庭環境 (床、椅子、手すりの有無など) を加味しながら、不安定性のレベル、回数、負荷設定を調整。特に、「椅子立ち上がり」→「ステップ/ラテラル歩き」など日常動作に直結する動作を優先的に導入。
兵庫県宝塚市の自費訪問リハビリ整体 リ・サンテとは
自費訪問リハビリ整体リ・サンテは、兵庫県宝塚市にオープンした脳卒中の方や人工関節の手術をされた方、足腰にお悩みを抱えている方を始め様々な方に密着し自費(保険外)での自宅や施設への訪問型のリハビリ整体です。
自宅や施設を訪問し病院で行われるリハビリと整体院で行われる施術の要素を併せ持つ生活に密着した‟業界初の生活圏全般をサポートし生活の質の向上を目的とした”自費リハビリ施設となっています。
リハビリ整体リ・サンテには医療機関で脳卒中後遺症の方や、人工関節の術後、骨折後などの身体を回復させるためのリハビリに従事し、高齢者のフレイル対策や介護予防、転倒予防の研修を受けた理学療法士(国家資格)の資格を持ったスタッフが在籍しています。
ここで培った知識を生かし、自宅や施設を訪問させて頂き、皆さんのお悩み事をを解決するために一人一人の身体の状態を把握し完全個別式のリハビリ&整体サービスを提供しています。
当自費リハビリ整体では単なる『マッサージ』や『筋力トレーニング』だけで終わらず、最新の予防医学をもとに個人個人のお身体に合わせたプログラムを作成し30分~60分間完全マンツーマンで施術させて頂きます。

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